2014年7月17日木曜日

教育問題

マサはかれこれ25年以上もアメリカにいます。それは子供が大学を終えるまでアメリカにいることにしたからです。アメリカの公立教育は日本のものより質が高く、それに英語の勉強にもなるので子供の将来を考えてアメリカに残りました。もちろんアメリカの方がエンジニアの待遇が良いのは確かで、ソフトウェアを仕事にするならシリコンバレーほど良い場所は他にはないのも理由のひとつです。実はアメリカの教育は場所によって大きく違います。特にシリコンバレーは不動産が高いため、学校の収入となる不動産税が豊富で教育の質が高くなっています。ここの教育の中心は知識ではなく知恵を付けることです。例えば歴史でアメリカが日本に原爆を落とした事を習います。日本ならそれを事実のひとつとして年号とともに覚えておしまいです。ところがここの教育だと「あなたが当時のアメリカの大統領ならどうするか」というテーマで議論します。そこには唯一の正解はなく、それまで習った歴史の知識の上で自分の知恵を発揮する必要があります。「自分ならやはり日本に原爆を落とす、その理由はこれ」と言ってもいいし、「いや自分なら日本に原爆は落とさない、その理由はこれ」と言ってもかまいません。歴史を学ぶのはより良い社会を作るためなので、知識だけでは不十分なのです。教師は自分の考えを生徒に押しつけるような事はしません。ただし人を説得できる根拠を示せるかどうかは成績に影響します。まさに民主主義の根幹はこれだと思わせる授業をしてくれます。

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