2015年11月1日日曜日

正社員の限界

日本独自の働き方である「正社員」の賞味期限が切れようとしています。戦時体制を源とする正社員制度は、労働者から職業選択の自由を奪い、過度な長時間労働という形で少子化を加速しました。一方、非正規労働者が全体の4割という現状では、結婚に必要な賃金が得られず結婚できない若者が増えています。個々の企業が非正規労働者を使ってコスト削減に励むと、国民の収入が減って国全体の活力が落ちるという「部分最適・全体不適」が起きています。これは日本の法律が悪いのであって、法律を変えて「部分不適・全体最適」を実現しなければなりません。そのためには「就職時の年齢差別と年功序列制度の禁止」および「正社員制度と1年を超える非正規労働の禁止」のふたつが必要です。またこれに付随して「人材の流動化」を加速するために「手切れ金による解雇」を「正社員制度の禁止」と引き替えに認めます。「正社員制度の禁止」とはどういうことかと言うと、すべての社員は仕事や場所が限定された「限定社員」となり、会社の命令なら何でもやるという「正社員」は禁止するという事です。そのかわり会社はいつでも従業員を手切れ金で解雇できるし、従業員はいつでも会社を無条件で辞められます。こうすることで従業員を大切にしない会社は人材を引き留めておく事ができなくなり、ブラック企業は淘汰されます。この根底にあるのは、「人に仕事を付ける」のではなく「仕事に人を付ける」ほうが労働者にとって有利だという考え方で、これは日本以外のほとんどすべての国で行われている働き方です。国民は教育を通じてプロの職業人になり、自分のキャリアは自分で作るという責任を持ちます。会社に人生を預けるのではなく、国が教育や制度を通じて国民の生活を手助けするという当たり前の社会を目指します。人材の流動化は新しい産業を育てるために必要で、これができなければ日本は今の生活水準を維持できません。労働人口の減少を移民で解決しようとすると、治安の低下や社会コストの上昇という問題を起こします。それに労働条件の悪い日本には、海外から一流の人材は入ってきません。今ここで法律を変えて少子化を止めないと、十年以内に巨額の財政赤字が日本経済を潰します。

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