2015年11月14日土曜日

外枠文化

島国が生んだ日本文化のひとつが外枠文化です。これはまず外枠、つまり外形的条件を決めると中をどう埋めるかに集中でき、最後には究極の箱物を作るという日本人の性質を表します。例を挙げると盆栽、軽自動車、携帯電話、弁当、100円ショップなどです。盆栽は器の大きさに上限があります。軽自動車には車体とエンジンに大きさの制限があり、携帯電話には携帯する上での制限があります。弁当もほとんどが四角形の入れ物で、持ち運びできる大きさです。100円ショップの制限は値段にあり、商品は100円でなければなりません。こうした制限があると中をどう埋めるかに夢中になるのが日本人です。ところがこうした制限がなく自由に発想していいとなると、おおかたの日本人は困ってしまいます。努力を集中させるポイントが分からないので、どこから始めて良いのかも分かりません。日本には外形的条件のかわりになる宗教や哲学がなく、外枠文化を超えることができません。「周りに合わせて生きる」という日本人の常識そのものが外枠文化と言えるでしょう。良くも悪くも外枠文化は日本にどっしりと根を張っています。

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