2016年12月6日火曜日

人工知能についての誤解その1

レイ・カーツワイルという未来学者がその著書「シンギュラリティは近い」という本で紹介した「シンギュラリティ」という言葉は、ひとつのコンピュータが持つ計算能力がひとりの人間の脳をシミュレーションするのに十分なレベルに達する状況を表します。ここにはまず脳をコンピュータがシミュレーションできるという仮定があり、次にその方法を人間が知っているという仮定があります。もしこのふたつの仮定が成立する場合、2045年にコンピュータ技術がシンギュラリティに到達するというのがカーツワイルの予測です。これに対してよくある誤解は、2045年には人工知能が進歩して人間の知能を超えるというものです。今の人工知能は脳のシミュレーションではありませんし、そもそも脳を100%シミュレーションする方法は分かっていません。たとえ分かったとしても、空っぽの脳を作れるだけです。計算能力だけでは人間を超える知能はできません。

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