2025年8月31日日曜日

遠距離出産

少子化は地元の産院の減少を生み、それがさらに少子化に拍車を掛けるという悪循環[^1]があります。産院も赤字では続けられないので、遠距離出産は避けられません。危険を避けるという意味で、遠くの病院で出産する妊婦と付き添いに1ヵ月程度のホテル代を援助するのは、自治体ができる工夫としてコスパが良さそうです。地元出産はふたつのケースがあり、都会に住んでいる人が里帰り出産する場合と、長年そこに住んでいる人がそのまま出産する場合があります。里帰り出産だと住民票が地元にないので、ホテル代の援助は出ないかもしれません。その場合は、里帰り出産ではなく親に都会に出てきてもらう事になります。

2025年8月30日土曜日

博士号助成金

日本政府が税金で出す博士号助成金に国籍制限を付けるのは当然の権利です。そこは民間の給付型奨学金とは違います。ただし日本の博士号取得が低調なのは、博士号を取っても食べていけないからです。日本のメンバーシップ型雇用では、博士号取得者を高給で優遇する事はできません。一部の外資系IT企業と違い、日本企業では年齢と給料がリンクしていて、ポスドクも博士号のない同年代の人と同じ給料です。しかも少子化で日本国内の大学数は減っているので、教授職も減っています。文科省もどうせポスドクを増やすなら、その生活の糧まで考えて制度設計するべきです。筆者は、やる気のあるポスドクに海外の大学や会社で働く事を勧めます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD300SP0Q5A730C2000000/

2025年8月27日水曜日

日本式DX

この記事[^1]は、日本式DXが失敗する理由を間接的に指摘しています。海外のDXは試作を繰り返すアジャイル型が主流になり、SpaceXはロケットの開発にまでアジャイル型を導入しています。ところが日本の文化というか商習慣だと、旧来のウォーターフォール型が主流です。これには「リスクに敏感」、「予算が固定」、「隠れた要求の存在」という問題があり、大型プロジェクトが失敗する原因になっています。アジャイル型は「隠れた要求」を洗い出すのに便利で、まず動くシステムを作って部分的に使いながら仕上げていくというハードの世界では当たり前の手法です。それがなぜハードが得意な日本でウォーターフォール型による使いにくいシステムの構築に繋がるかと言うと、目に見えないものに価値を認めない(予算を付けない)文化が原因です。試作品というハードに当たり前の手段も、ソフトの場合は試作品と完成品の違いが外見上分からず、試作品ではお金が取れないベンダーが嫌います。「リスクに敏感」なのはシステムの利用者と開発者が別れているからで、失敗した時にお互いに責任を問われないように細かく文書化して、システムではなく仕様書を成果物としてお金をもらう商習慣の結果です。システムの利用者と開発者を同じ会社にしない限り、こうした失敗は続きます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC238W20T20C25A7000000/

2025年8月26日火曜日

数字を出せば

この記事[^1]は、日本政府が国際貢献としてワクチン普及のための団体に今後5年間で810億円を出す事を問題視しています。確かに個人としては810億円は巨額の費用に見えます。でも日本の人口は1.2億人なので、人口で割れば1人当たり675円で、しかも5年間なので1年当たりでは135円です。これで途上国の感染症患者を大幅に減らすことができれば、コレラやポリオのような問題を未然に防ぐ事が可能です。ところが参院選で消費税減税に対して財源がないと言った自民党に、810億円の資金があるなら財源があるからダブル・スタンダードだというのがこの記事の主張です。消費税の減税には数兆円の財源が必要で、5年で810億円ではまったく足りません。国民1人当たり毎年135円を減税すると何の意味があるのでしょう。大きな財源はないけど、小さな財源はあるというのが自民党の立場です。810億円など消費税の減税には焼け石に水です。消費税を下げたければ、その分だけ法人税を上げるのが筋だと筆者も思います。円安で国民の家計を犠牲にして輸出企業を儲けさせたので、その儲けを国民に分配すべきだという意見に賛成します。

^1: https://mag.minkabu.jp/politics-economy/35655/

2025年8月25日月曜日

医療の消費税

この記事[^1]は、医療費に消費税を課税する必要性を指摘しています。医療に必要な資機材には消費税がかかっており、医療機関は消費者に変わってこれを払っています。消費税は最終的に消費者が払うものなので、建前としては診療報酬に消費税分が含まれるという事です。ただし実際には健保赤字を避けるため診療報酬は政治的に抑えられ、インフレに追いついていません。そこで医療費に消費税を乗せて医療機関の赤字を減らすというアイデアがあります。もちろん医療費に軽減税率を使うのは可能です。診療報酬の改定は常に時間的に遅れるので、インフレ下では医療機関の赤字が慢性化しています。利用者がその消費税を負担するのは当然で、医療機関がなくなって困るのは利用者自身という事を思い出しましょう。設備に費用がかかる病院ほど消費税の負担が大きく、都会の大学病院ですら赤字となっています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD2036T0Q5A820C2000000/

2025年8月24日日曜日

微生物が大切

 この記事[^1]が問う「酸素と食料だけで宇宙に住めるか」には期間が明示されていません。もしそれが1日ならほぼ誰でも宇宙に住めるでしょう。それが1年となると、かなり限られると思います。さらに一生となると無理だと思います。人間は大腸に多くのバクテリアを飼っており、殺菌された食品からは入ってきません。生まれたばかりの赤ん坊の腸にはバクテリアは皆無なので、宇宙には必要なバクテリアを持って行く必要があります。こうしたバクテリアは生の食品から赤ん坊の体内に入るので、宇宙で栽培される生の食品がカギになります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG11B3C0R10C25A4000000/

2025年8月23日土曜日

想定外か

大阪万博で会場に繋がる唯一の地下鉄が万博閉場まぎわに運休し、帰宅できなくなった入場者が多数万博会場で夜を過ごすという問題[^1]が起きました。当初から心配されていた足の問題が現実となったわけで、これを想定外の事故と言ってはいけません。会場へは一本の地下鉄しかなく、ループになっていない路線のため止まった反対側を使うという手段もとれません。実に間抜けな設計です。いくら再発防止に努めても、足の代替手段がない事にはかわりありません。「安心安全」のはずなのに、地下鉄建設費用をケチった結果だと思います。ここを大阪経済の起爆剤にするつもりなら、こんな行き止まりの地下鉄ではなく、乗換駅に繋がるループになるよう延伸すべきでしょう。

2025年8月21日木曜日

空き家対策

この報道[^1]によると、空き家で売り物になるのは1割程度、残りの9割は買い手が付かない不良在庫です。そのうち危険なものは「特定空き家」として固定資産税を上げたり、税金で解体などの措置をとります。それが年間でも数件で、税金を使うのであまり増やせません。つまり大多数の空き家は使い道のないまま、住宅なみの固定資産税を払いつつ放っておかれます。高級住宅地を抱える世田谷区にそうした空き家が多いのは皮肉で、空き家を減らす工夫がもっと必要です。1年住んでいない家が空き家なので、そうした家の固定資産税を上げるのがまず第一です。ただし4m幅以上の道に2m以上接していない土地は新しい家を建てられないので、解体しても宅地にできない空き家は所有者も困ります。逆にこうした土地は価値のないものとして、更地にしても固定資産税を宅地なみに抑えるというのも手です。

^1: https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/202508/17314.html

2025年8月19日火曜日

日本映画

この記事[^1]は、アニメだけでなく実写映画も最初から海外をマーケットとして作る事が大切と指摘しています。結果的に海外に売れるのではなく、海外で売れる事を前提に十分な予算を付けるという事です。日本の実写映画は小粒の小市民的な映画が多く、国内で元が取れれば良いという姿勢が見えます。予算をケチるからそこそこの出来になり、数打ちゃ当たるという発想です。ところが日本の人口は減る一方です。市場が縮む国内ではなく韓国のように海外でヒットする映画を作らないと、じり貧です。小市民的な映画が悪いとは言いません。でも年に数本は海外も狙った大型映画を作って欲しいものです。

^1: https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/393ead99ca40663454f8e15de2eed3943ce152c2

2025年8月18日月曜日

追浜工場

日産は追浜工場での車両生産を2027年度末で終了するそうで、跡地の利用が問題[^1]になっています。跡地はとても広いので、複数の使い道が考えられます。その中で、建物の建て替えを前提にするならデータセンターを誘致するのが良いと筆者は思います。都心に近いデータセンターは信号遅延の面で有利となり、また海がすぐ側にあるので海水を利用した冷却ができます。都心に近いデータセンターと言うと千葉の印西市が有名で、そこに次ぐ規模のデーターセンターになると期待できます。雇用の面では工場に及びませんが、地元自治体に固定資産税も入ってきます。その上でIT企業のオフィスも誘致すればなお良いでしょう。そこまで行けば住職接近型のマンション建築も視野に入ってきます。


同日追記
黒字でも指名解雇ができるアメリカと、自主退職をお願いするしかできない日本との違いです。

2025年8月17日日曜日

養育費

離婚したり失踪したりして、子供の父親が養育費を払わないケースはよく聞きます。この記事[^1]にもあるように、アメリカは税務署が法律上そうした父親の個人情報を開示できるので、父親に収入があれば取り立てが可能です。日本もマイナンバーで収入を補足できるので、法律を変えれば父親から養育費を取り立てる事ができます。そうすると母子家庭の生活保護費を減らせるので、税金の節約にもなります。日本はなぜそうした法律を制定しないのか不思議でなりません。国会議員の怠慢でしょうか。

^1: https://news.jp/i/1320261488093545381

2025年8月16日土曜日

誤解しそう

この記事[^1]は語学学習がテーマのため、大事な事が抜けています。0歳児は24x7の世話が必要で、ひとりで留学しながらできる仕事ではありません。アメリカの保育園はすべて私立なためお金がかかるし、住み込みで働くナニーだともっとお金がかかります。親の援助や保育なしでは難しく、語学よりも育児の方が難しいぐらいです。定期的に医者に連れて行って予防注射を打つ必要もあり、ワンオペではとうてい無理です。そこでどのようにして育児と勉強を両立させたかが大切です。そこがほぼスルーされており、誤解する人が出てきそうで心配します。

^1: https://www.asahi.com/articles/ASR8J5S15R7TUHBI01C.html

2025年8月15日金曜日

転換点

人口が減るのに国債を増やす日本に明るい未来はありません。今回の参議院選挙は自民党支持者が新興政党に流れたという点で、政治の転換点[^1]となりそうです。「自民党に任せておけば良いと思っていたが、考え直した」という国民が多いという事です。筆者は革命に近い変更なしで、日本の長期凋落傾向は変わらないと思います。日本人の安全・安心を求める声が、結果的に日本の変化を拒んできました。人口が減る国で経済成長するには、国内産業の生産性向上と海外からの投資が不可欠です。ところが選挙戦で争点になったのは「減税か給付金か」あるいは「日本人ファースト」です。物価高を抑えるには利上げしかありません。この局面でお金をバラまいても、貯蓄に回るか物価をさらに上げるかです。大幅なロボット化、行政の合理化など日本の経済成長に直結する話題はなぜか争点になりません。転換点に来てはいるものの、これからどっちへ向かうのかは不明です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD222540S5A720C2000000/

2025年08月19日追記
日本の進むべき道は大幅なロボット化です。この分野の投資が少なすぎます。

2025年8月14日木曜日

レイオフ

レイオフ体験者として言わせてもらえば、アメリカのIT会社のレイオフ[^1]は予測可能です。社内のうわさや風向きは末端でも感じる事ができるので、どの部署が危ないのかはだいたい事前に分かります。あるいは個人のレベルで言うと、4半期毎のパフォーマンス・レビューで評価が最下位になると「このまま退職金をもらって自主的に辞めるか、研修プログラムに参加して倍以上働くか」を選ぶことになります。次の評価でまた最下位になると解雇となり、どの大手IT企業でも毎年10%位は最下位に分類されます。もともとジョブ型雇用なので自然減も10%ぐらいあり、合わせて年間で20%ぐらいの人の入れ替わりがある業界です。そのぶん新陳代謝が激しく、能力が高い人には高給が得られる利点があります。5年勤続で1ヵ月の休みやボーナスを出す会社も珍しくありません。こうした企業が常に下位10%をクビにしている事は、日本の人も常識として知っておくべきでしょう。ニュースになるのは50人以上を同時にレイオフする時だけで、それ以外は企業に公表する義務はありません。

^1: https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2507/18/news009.html

2025年8月13日水曜日

なぜ大陸に

これ[^1]は一見いい話の様に見えます。でもそこに書いてない事に読者は想像を巡らせる必要があります。なぜ「ちばてつや」の両親は子供を連れて大陸に渡ったのか、また日本が劣勢なのになぜ日本に帰らなかったのか、どちらもここには書いてありません。大陸に渡ったのはお金儲けのためです。当時農家の長男以外は食い扶持がなく、日本で働くより大陸で働く方がお金になると日本政府は宣伝していました。中国語もできないのに多くの日本人が大陸や樺太に渡ったのは、日本の植民地で稼ごうという経済的理由がありました。また大本営発表では日本の敗退は転戦と誤魔化され、大陸や樺太にいた人には日本の劣勢がちゃんと伝わっていませんでした。日本政府に騙されて海外に行き、また騙されて海外で敗戦を迎えたという事です。引き揚げ者はお気の毒ではありますが、自業自得という面もあります。もちろん当時のそうした世論を煽ったのはマスコミも同罪で、こうした話を載せることで罪滅ぼしをするという意図は分かります。民主主義では報道の自由が命を救うので、筆者はNHK視聴料を払っています。自由と民主主義はタダではありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD296NH0Z20C25A7000000/

2025年8月12日火曜日

やはりコメ不足

この記事[^1]は、この2年間のコメ不足を指摘しています。(高温障害で)精米歩留まり悪化から16万トン、インバウンド需要で6万トン、南海トラフ地震臨時情報で11万トンの増加があり、合計33万トンの不足です。これに行方不明の4万トンを加えて、37万トンが2024年度において不足でした。一方でコメの生産が15万トン増え、各家庭が備蓄した11万トンを上回る供給もありました。結果的に不足したコメを農協以外のルートで調達したため、値段が上がったという事です。従って今年から増産に切り替えても、また高温障害で歩留まりが悪化したり、放出した備蓄分を買い入れようとすればコメが不足します。コメ農家の収入と消費者の支出をバランスさせ、小規模農家を減らしてコメ生産コストを下げつつ、高級米を高値で輸出するという難しい農政が待っています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA04AVW0U5A800C2000000/

2025年8月11日月曜日

納税者

日本は会社員が自分で確定申告をするケースが少なく、国民に自分が納税者であるという自覚が不足していました。ところがこの記事[^1]は、今回の参院選でそうした自覚が芽生え、労働者ではなく納税者という点で人々が団結したと報じています。税金を取られ損と感じている納税者が多くなれば、税制度や社会保険制度を変える事も可能になるでしょう。ところが日本は国債残高が多すぎて、減税にはなかなか踏み込めません。むしろ富裕層への増税に力を入れるべきであり、資産課税を強化する方向に行くと筆者は予想します。例えば空き家がある土地の固定資産税を増やすとか、仮想通貨売買による利益にきっちり課税するなどです。医療も自己負担額を最低3割に引き上げる事は可能で、慢性疾患なら3ヵ月分の処方箋を出してもらえば、毎月医者に行く代わりに3ヵ月に一度で済むので患者にとっても好都合です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA285TZ0Y5A720C2000000/

2025年8月10日日曜日

国債で減税していいのか

今回の中田大学[^1]は良い内容だと思います。「国債で減税していいのか」というタイトルで、中田氏の結論は「法人税を上げて消費税を下げる」のが正解となってます。筆者も「もし減税するなら」という前提で、この結論に賛成します。今の日本が袋小路に追い込まれている事をきちんと説明しており、アベノミクスが円安を実現したけど副作用として金利を上げることができず、輸入インフレが制御できてない事を指摘しています。アベノミクスの逆をやるべきだという中田氏の主張には説得力があり、家計を犠牲にして内部留保を増やした輸出企業から利益の再配分を求めるのが税金の役目だと言っています。1ドルが120円ぐらいの円安を目指していたアベノミクスが、コロナ後のアメリカのインフレと高金利で150円と過剰円安となり、国債の利払いが増える事を恐れる政府と日銀が十分な利上げに踏み切れない現状は確かに問題です。政府与党はこうした輸出企業から多額の献金を受けており、それが法人税増税を邪魔しているという指摘もあります。今回の参院選で法人税増税と消費税減税を公約に入れたのは共産党と社民党なので、そこが議席を減らしたのはなぜでしょう。

2025年8月9日土曜日

人口減少と外国人

この報道[^1]は、すべての都道府県の中で東京都だけが前年比で居住人口を増やしており、次いで千葉県が横ばい、大阪府がわずかに減少と示しています。ところが日本人の人口で比較すると、東京都のみが0.1%増で他の都道府県はすべて減少となっています。その東京も外国人を含めた人口が0.7%増なので、増加した分はほとんどが外国人という事が分かります。またすべての都道府県で外国人が増えており、日本人の人口減少をある程度補っている事が読み取れます。さらに生産年齢人口が全人口に占める割合で見ると、日本人が59%に対して外国人だと85.8%になり、外国人が労働力として欠かせない存在である事が分かります。少子高齢化はますます加速し、日本はいっそう外国人労働者に依存する国になりつつあります。ところが政府は「移民ではない」という建前のため消極的な関与にとどまり、地方自治体に外国人問題を押しつけている現状[^2]があります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2898V0Y5A720C2000000/

2025年8月8日金曜日

備蓄米の備蓄

この記事[^1]は備蓄米の備蓄が課題と指摘しています。江藤米と小泉米で81万トンの放出があり、3万トンのキャンセルを引くと78万トンを使った計算になります。記事には出てこないものの、日本はミニマムアクセスとして毎年77万トンのコメを海外から輸入しています。これは国内の米価を引き下げないように、加工用として販売されています。今年はトランプ関税対策として77万トンの大部分をアメリカから輸入するので、このコメを備蓄すれば十分だと思います。再度令和の米騒動のような出来事がない限り、アメリカ産米を備蓄しても食用米として出てくる事はありません。また逆にコメが不作で足らなければ、ここで備蓄した分を放出できるので好都合です。もし備蓄するのは国内米のみという法律があるなら、その法律を変えればいいだけです。

^1: https://president.jp/articles/-/99165

2025年8月7日木曜日

対米貿易

トランプ関税は対米貿易の曲がり角[^1]を示しています。15%の関税なら小売価格を5%上げれば吸収できるので、日本製自動車などは9月から小売価格が上がります。その一方でアメリカは中国への依存を減らし、関税への依存を増やすでしょう。日本はTPPを活用して、アメリカ以外の貿易を増やすべきです。インバウンドを除き、日本の内需はもうこれ以上増えません。少子高齢化は内需の敵です。ところが東南アジアには人口が増えている若い国がたくさんあります。日本はこうした新しい国との貿易を増やし、外貨を稼がねばなりません。アメリカは関税によるインフレ悪化で、今後は不景気になると予想します。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN31E5L0R30C25A7000000/

同日追記
「オレンジジュースが関税の適用外」これもTACOの例です。

2025年8月6日水曜日

本土決戦

毎年8月になると新聞各紙は太平洋戦争の特集を組みます。この毎日新聞の記事[^1]は「アメリカは何で原爆を日本に落したか」という疑問から始まっています。でもその答えは記事になく、大事な事が無視されています。日本には原爆を避ける道がありました。沖縄陥落から広島の原爆までは1ヵ月以上の時間があり、ここで負けを認めて降伏していれば、広島と長崎の原爆を避ける事ができました。ところが実際には「本土決戦」という名のもと負け戦を続けました。当時のソ連を仲介に米国と停戦しようと画策したものの、ソ連は日本の負けを予想して既に米国と手を結んでおり、日本の領土への侵略を計画していました。つまり戦争を始めたものの、その終わらせ方まで考えなかった日本の首脳部が原爆攻撃を招きました。「本土決戦」という勇ましいスローガンには、国民を含め「全員玉砕」で負けるという意味が隠れていました。沖縄を失った時に敗戦を決断できなかった日本は、無責任な指導者のせいで広島と長崎に「全員玉砕」をもたらしたのが歴史上の事実です。新聞各社がこの点を追求できないのは、戦後の日本が今だに太平洋戦争を客観的に見る勇気がないという証拠です。

^1: https://mainichi.jp/articles/20250806/ddm/001/070/101000c

2025年08月10日追記
学校で教わる歴史では、ここまでの詳しい開戦過程は学べません。

2025年08月15日追記
これも太平洋戦争を歴史として客観的に見るべきだという指摘です。

2025年8月5日火曜日

不正投票

今回の参議院選では、家族がなりすまして他の家族の投票をするという不正投票[^1]が目立っています。やっている人に犯罪の自覚は薄く、体調不良の家族に代わり代理投票しているつもりです。ただ今の法律ではこれは不正であり、立件はされないものの犯罪となります。こうした不正投票を避けるには、マイナンバーカードとスマホによる電子投票が有効です。前に述べたように、電子投票では本人確認ができる反面、投票の秘密が失われます。だからこそ投票の不正を避けられるので、一種のトレードオフです。家族による不正投票を防ぐ利点だけでは電子投票は普及しないので、投票率を上げる効果と投票そのもののコストダウンを期待して、マイナンバーカードとスマホによる電子投票を、紙の投票と平行して国政選挙に導入して欲しいと思います。

^1: https://www.saitama-np.co.jp/articles/149861

同日追記
紙でも投票の秘密はありません。筆跡や紙に付いたDNAを調べれば誰だか分かります。

2025年8月4日月曜日

高福祉高負担

この記事[^1]は、高福祉高負担の北欧型社会は日本でも可能かという問いに対して、不可能と答えています。筆者は可能だと思いますが、その移行には100年ぐらいかかると思います。北欧だと消費税が最高25%、所得税が最高90%なので、いきなりは無理です。だから100年かけて税率を上げていく必要があります。北欧型社会には払った税金に見合うサービスを受けているという納得感が必要で、教育や医療のコストが安いといった利便性を求めます。そのかわり北欧型社会には大金持ちはいません。税金が高いので大金持ちになりにくい上、それでも大金持ちになった人は多額の税金を逃れるため国外(モナコなど)に移住するからです。つまり世界長者番付[^2]に登場するような人は北欧にはいません。日本は国債を使って中福祉低負担を実現したものの、少子高齢化でこれ以上の国債発行に黄色信号が付いており、中福祉の持続すら怪しくなっています。円安を原因とするインフレは国債を増やすほど進むので、実質賃金がマイナスになる原因となっています。政府が2025年度のプライマリーバランスを諦めたのは象徴的で、日銀は利上げするべき局面に入っています。

^1: https://gentosha-go.com/articles/-/70734

2025年8月3日日曜日

生成AIとバイアス

どの生成AIにも学習させたデータによるバイアスがあります。ところが生成AIそのものにも通常のプログラミングに相当する「システムプロンプト」という指示が前もって与えられ、これが新たなバイアスを生みます。この記事[^1]によれば、xAIのGrokという生成AIにはトップのイーロン・マスクの意向がシステムプロンプトの形で組み込まれており、Grokがマスクの好みを拡散する宣伝ツール[^2]として使われています。こうしたバイアスは必ずしも利用者には開示されていないので、生成AIの作った文章を鵜呑みにする人にはとても危険です。

^1: https://gigazine.net/news/20250709-grok-update-conspiracy-jewish/

2025年08月14日追記
これはGrokが、自らイーロン・マスクによる検閲を認めるという珍しいケースです。

2025年08月20日追記
AIを人間らしくすればするほど、依存してしまう人が続出します。根本的な問題です。

2025年8月2日土曜日

シニア住宅の過剰介護

これ[^1]は制度の欠陥です。民間企業がこうした欠陥を利用するのは当然で、そこには簡単な解決方法があります。住宅サービスを提供する業者と介護サービスを提供する業者を分ければ良いという事です。同じ業者はもとより、資本関係のある業者同士も禁止します。本来介護サービスを決めるのはケアマネで、介護される人もしくはその保護者がケアマネと相談します。ひとつの業者で住宅サービスと介護サービスを提供するのは法律で禁止する必要があります。これは医院と薬局の関係と同じで、過剰介護をなくすには住宅サービスと介護サービスの提供者を分けましょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF22AYY0S5A720C2000000/

2025年08月08日追記
親が元気なうちに、延命治療をしない旨の紙に署名をもらうのが手です。そういう紙は役所や病院で配ってます。それを実家の冷蔵庫に張っておけば、救急隊員が来たときも分かります。

2025年8月1日金曜日

スポーツ賭博

筆者はスポーツ賭博[^1]を日本でも合法化して課税し、それを賭博依存症の治療や奨学金に充てるのが良いと思います。現状では国内にいても海外の業者が提供するネット上の賭博で日本のスポーツに賭ける事が可能で、不法行為を止める手立てがありません。パチンコ、競馬、競輪、スポーツくじなど同様の賭博は既に解禁されています。宝くじに至っては、未成年者でも購入できるのが日本です。みすみす海外の業者に無料で収益を与えるくらいなら、合法化して法の網をかぶせた方が良いと思います。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQODH030NV0T00C25A7000000/