2012年9月19日水曜日

マイクロ・マネジメント

手取り足取り指図するような事細かい管理方法をマイクロ・マネジメントと呼びます。部下をロボット扱いするのでシリコン・バレーでは嫌われる管理方法です。この方法では部下が育たないうえ、仕事の規模が拡大したとき上司が管理しきれなくなるので、マイクロ・マネジメントは下手な管理方法だとされています。ただし部下が新人だったり経験不足と判断される場合は、時期を限ってそうした管理方法を取ることもあります。学校出たての右も左も分からない新人に仕事を教えるには、経験者(メンター)が手取り足取り教える必要があり、そこでは報告・連絡・相談が求められます。ここでよく誤解されるのがマクドナルドの接客マニュアルです。アメリカのマクドナルドで接客する人は、高校すら出ていないし、英語も片言しか話せない海外からの移民かもしれません。だとしたら、事細かにマニュアルに書いてその通りやらせる方が一定のサービスを保証できます。日本人から見れば過剰とも思えるマニュアルには、そうした国の事情の違いが隠れています。その一方で知識労働者として大卒を雇う場合、会社は何らかの専門家としてその人を雇います。営業なら営業、人事なら人事、経理なら経理という仕事がまずあって、その職にふさわしい人を雇うからです。なので最初の研修期間が過ぎると、手取り足取り仕事を教えるということはまずありません。分からなければ周りの人に聞けばいいし、専門家として雇っているので、すぐにその人に仕事を任せます。少なくともマサの経験した範囲では、アメリカの知識労働者にマニュアルはありません。個人の責任範囲がはっきりしているので、その範囲内では自由に仕事しています。逆に言うと、その仕事を任せられそうな人を採用しているということです。単純作業はコンピューターが処理するので、知識労働者はコンピューターにはできない仕事をしています。なのでそうした仕事はマニュアル化には向かないという理由もあります。

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