2013年8月2日金曜日

過労死

最近英語になった日本語にkaroushi(過労死)があります。日本以外では過労死は珍しいので、翻訳せずに日本語がそのまま英語になってます。アメリカだと月に80時間も残業させたらその人は会社を辞めてしまいます。スタートアップなどで例外的に長時間働いてもらう場合は、会社の未公開株を持たせるなどしてお金で引き留めます。アメリカは自己責任の国ですし、お金よりも自分の命や家族の方が大事と思っている人がほとんどなので、長過ぎる残業時間は会社を辞める立派な理由になります。アメリカと較べて日本に長時間労働が多い理由は主に3つあると思います。まず最初に日本では自己責任で生きている人が少ない点があげられます。集団に属する事で安定した生き方を求めるという事は、会社任せの人生となるので自己責任とは真逆です。実は日本の正社員という働き方はアメリカにはありません。つまり会社に人生を預ける代わりに、何でも言われた事をやるという生き方はアメリカにはありません。そもそも会社に人生を預けるという考え方がないので、少しでも待遇の良い会社が他にあればアメリカ人はすぐ移ります。それに就社ではなく就職なので、会社を移る以外に給料を上げる方法がありませんし、回りの人もそれを賞賛します。次に日本では長時間働く事が良い事だという誤解があり、休暇を取らずに働く人が褒められます。本当は長時間労働により体や精神が不健康になるだけではなく、休みを取らないと新しいアイデアが生まれなくなります。昭和の時代に日本の会社がコストを下げるため残業を奨励したのは確かです。今はそれに加えて非正規雇用で労働コストを下げています。これはいわば従業員の健康より目先の利益が大事という会社の方針です。従業員の創意工夫が求められる職場であれば、長時間労働は自分で自分の首を締める行為に他なりません。最後に日本の労働組合は総じて弱いか機能していません。労使協調というかけ声のもと、将来その会社の幹部になる組合幹部は、実は労働者ではなく会社の立場に立っています。組合員の不満をガス抜きするのが目的の組合もよく見かけます。つまり意見は聞くけど何もしない組合です。過労死はする方もさせる方も共に不幸になります。長時間労働が続くと頭が動かなくなり、ある時ふとすべてから逃げ出したくなって一線を超えてしまいます。自分の身を守るのは自分だという気持ち、自分の命や家族より大切な仕事はないという自覚、そして会社に人生を預ける正社員という生き方への否定が過労死を減らします。もう会社があなたを定年まで雇ってくれる時代ではありません。回りの国との競争が激化したため、日本の正社員という仕組みは時代に合わなくなりました。あくまでも職に付く限定社員という生き方が世界の主流です。年功序列をやめて年齢による就職差別を無くし、辞めやすく就職しやすい社会にする方が労使双方の利益になります。従業員が過労死する会社はブラック企業なので、そういう会社の社畜になるのはお勧めできません。会社にとって必要な人間なら、限定社員でも首になることはありません。自己責任で生きるという事は、常に自分の社会的価値を高める努力を怠らないという事です。普段から自分の社会的価値を高く保てば、失職してもすぐ次の仕事が見つかるので社畜になる必要はありません。

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