2015年5月23日土曜日

GDP

日銀による円の増刷と国債の大量買い取りはセオリー通りに円安を生みました。その結果輸入物価が上がり消費を抑えています。円安は輸出企業に自動的に増収をもたらしたので、国民全員からお金を集めて輸出企業に配ったのと同じ効果があります。ところが幸い原油の値段が下がったので、電気代は為替レートほどには上がっていません。今の日本は貿易赤字なので、円安は日本全体で見れば損となります。賃金の上昇が物価の上昇を上回らないと消費は増えません。消費が増えないと税収も増えないので、大量に買い取った国債が次の世代に大きな借金として残ります。正社員の賃金が上がるだけでなく、派遣社員や非正規雇用の賃金も上がらないとGDPは増えません。名目賃金だけでなく、それと物価との差である実質賃金がどれだけ増えるかが今後の課題です。年間80兆円ものお札を刷って市場に供給したのに、そのお金が土地や株式への投資に回るだけでは賃金は増えません。

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