2015年5月3日日曜日

休暇の取り方

拙著「成果主義の前提」で紹介したように、日本では「人に仕事をつける」のが普通です。このため「手の空いている人は他の人の仕事を手伝う」必要があり、自分の仕事の範囲が決まっていません。仕事の能率が良くて時間がある人は大手を振って有給休暇を取れるはずなのに、日本ではそうなっていません。このため5月の連休や週末などに旅行が集中して、観光地の年間稼働率を下げています。週の半ばの水曜日に観光地に行くと、お店が休みになっている事もよくあります。他の人に気兼ねして休暇が取れないのは、自分が休むあいだ他の誰かが自分の仕事を代行するからです。ではアメリカのように「仕事に人をつける」方式の場合、自分が休むあいだ自分の仕事はどうなるでしょうか。急ぎの仕事でなければ、そのまま放っておきます。普通は休暇に入る前に上司と仕事のスケジュールを調整するので、休暇に入る前に必要な仕事は全部済ませておきます。自分の仕事の範囲が決まっているので、他の人に気兼ねなく休むことができます。このため連休や週末に集中することなく、自分の仕事のスケジュールに応じて好きな時に休暇を取ります。「仕事に人をつける」方式だとそれぞれがバラバラに休暇を取るため、三週間程度のまとまった休暇を取る人も珍しくありません。すると観光地の年間稼働率が上がり逆に混雑は減るので、観光地と旅行者の両方に良い結果になります。では放っておけない仕事の場合はどうでしょうか。この場合はスケジュール調整の段階で上司が指定した特定の人とペアを組みます。この人と仕事を共有することで、休暇中はこの人に仕事を代行してもらいます。ただし、マネジャーの場合はその上司が申請の承認等の仕事を代行します。自分の仕事がちゃんとできている限り、休暇を取るのは権利であると同時に義務でもあります。時々休みを取ってリフレッシュして仕事に励んでくれというのが有給休暇の意味です。休暇のあと仕事への意欲が増したという経験はありませんか。忙しすぎて休暇を取れない仕事をしている人は上司に解決を求めます。もし解決出来なければ、その仕事をやめて他のもっと良い待遇の仕事をするだけです。「仕事に人をつける」社会では自己責任で働く場所を決めるので、過労死は起きません。

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