2017年6月11日日曜日

二つの働き方

世の中には、アメリカ式の「仕事に人をつける」ジョブ型と日本式の「人に仕事をつける」メンバーシップ型の二つの働き方があります。その両方を経験した筆者は、ジョブ型の方が労使双方に有利だと考えます。以下その説明です。アメリカ式の「仕事に人をつける」ジョブ型は、プロ野球の世界と似ています。投手として採用されれば、まず投手として働きます。働く人はみな専門職についており、仕事の内容は就職する前に明らかになっています。投手なのに捕手として働くという事はありません。これに対して日本式の「人に仕事をつける」メンバーシップ型では、就職というより就社という形を取ります。働く人は一般職として採用され、辞令ひとつで仕事や働く場所が本人の意思とは無関係に変わります。ジョブ型では経験者に価値があり、メンバーシップ型では新人に価値があります。ジョブ型では担当する仕事がなくなれば手切れ金付き解雇です。メンバーシップ型では担当する仕事がなくなれば配置転換か追い出し部屋です。社会の変化に対応するには「仕事に人をつける」ジョブ型が有利です。日本のメンバーシップ型では解雇が事実上不可能なので、会社は常に余剰人員をかかえています。このため新しい仕事に経験者が必要でも、外から簡単に人を雇えません。一方その余剰人員も専門性が不十分なので身動きできず、会社の人件費だけが高止まりしています。この人件費削減のため正社員を減らしたのが日本の現状です。人材に流動性がなく社会の変化に対応できないのがメンバーシップ型の欠点です。その一方ジョブ型では専門性が問われるので、働く人は自分の専門性を磨くため常に自分への投資が必要です。

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