2023年9月29日金曜日

インボイス制度とは

長年欧州で使われている「インボイス制度」[^1]が日本でも始まります。その目的はふたつあり、「8%と10%に分かれた消費税の計算を容易にする事」と「益税をなくす事」です。もともと徴税コストが上がるので、筆者は消費税の税率をふたつに分ける事には反対でした。でも決まってしまったものは仕方ありません。物やサービスを売る側がインボイスを発行し、買う側がそのインボイスにもとづいて税務処理します。年間売上高が1000万円以下の売り手はインボイスを発行できない「免税事業者」であり、消費税を税務署に納める必要はありません。従来は「免税事業者」も買い手から消費税を受け取り、それを自分の利益に入れる「益税」が存在しました。今後は買い手がそうした消費税の支払いを拒むので、その分買い入れ価格を下げる圧力が働きます。つまり「益税」が減ります。なお年間売上高が少ないフリーランスは、買い手から値段をたたかれる恐れがあります。それに対抗するには、複数のフリーランスを束ねて法人化し、年間売上高が1000万円超過になる事業者の社員として働くという方法があります。もともと免税事業者は消費税を納めないので、買い手に消費税を請求する事はできません。年間売上高が1000万円以下の輸出企業などが「課税事業者」として登録し、消費税の還付を受ける事はできます。つまり年間売上高が1000万円以下の売り手は、「免税事業者」となるか「課税事業者」となるかを選ぶ事ができます。消費者は消費税を収入から控除できないので、「免税事業者」が消費者から消費税を受け取り、それを「益税」にする事は可能です。

^1: https://gigazine.net/news/20230928-invoice-system/

2023年12月21日追記
課税事業者が増えたので、益税が減り税収増という結果のようです。

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