2009年11月13日金曜日

アメリカの教育

アメリカの公立小中高校では、教科書は教育委員会から子供に貸与されるもので、普段は学校に置いておきます。通学時に持ち運ばなくていいので、教科書は電話帳のように大きくて分厚くなっています。また同じ一冊を毎年別の生徒が使いますので、書き込みなどは禁止です。宿題はプリントにして渡されます。また各学校にはインクラスというサイトがあって、インターネットから生徒が自分の学生番号でログインすると、各教科の進み具合や宿題、テストの日付などがわかるようになっています。先生はメールアドレスを親に公開していて、電話よりもメールでの連絡を好みます。3ヶ月に1回ぐらいの割合で平日の1日を先生の研修の日と定めていて、普通は金曜日か月曜日にもってきますが、その日は子供は休みになります。学校は初日からいきなり授業で、入学式や始業式といった行事はありません。唯一卒業式だけが行事らしい行事でしょう。運動会もありません。文化祭もありません。そのかわり中学と高校ではたまに金曜日の夜ダンスパーティをやります。体育館を先生と親が飾り付けて、子供たちが音楽に合わせて夜の7時から10時くらいまで踊ります。これは金曜の夜に子供がいかがわしいところへ出向くのを防止するためだと思います。また教育方法は教師と生徒の間の双方向のやり取りが主体です。日本だと、教師が一方的にしゃべって生徒はひたすらノートを取るというような授業もありますが、アメリカだと教師が出した疑問に生徒が答える形で進む授業が普通です。クラス全員の前で生徒が何かを発表することも多く、人前でしゃべる訓練になります。高校には演劇のクラスがあり、その先生は「ここでは、失敗を恐れずに人前でしゃべる練習をしている」と言ってました。どんな立派な意見でも人に分かってもらえてナンボですから、こうした情報発信の技術を小さいころから学ぶアメリカ人には、普通の日本人は話す能力において敵わないと思います。これは英語以前の話で、自分の意見を根拠を示しながら説得力のある話し方で表現する技術は、日本でも必要です。テレビの街頭インタビューなどを見ていると、日本の若者は特にこうした話す能力が低いように思います。意思の疎通がうまくいかないため悩んだりキレたりするのであれば、教育の目的を再度確認したほうが良さそうです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。