2009年11月26日木曜日

勤勉は金か

日本人は勤勉だと言うのが定説です。そう思っている日本人は多いと思います。ですが、勤勉なのは日本人だけではありません。だれしもお金が儲かるとなれば長時間働くものです。日本では残業手当のおかげで長時間働いて収入を増やすという手があります。アメリカでは年収ベースですので、働く時間と収入は比例しません。日本の高度成長は多分にこの長時間労働のおかげではないかとマサは考えています。これにより見かけ上の労働コストが下がるので、輸出産業には追い風となります。ところが、長時間労働は中国やベトナム、インドなど他の新興国でも可能な手です。日本では今以上に労働時間を増やすことは無理ですので、この手はもはや通用しません。ですがいまだに勤勉は金だと思っている人が大半ではないでしょうか。じつはマサにも経験があります。毎日12時間近く働く日が1ヶ月以上続くと感覚が麻痺してきて長時間労働が苦にならなくなるのです。しかし実は体の具合は着実に悪くなり、新しいアイデアも浮かばなくなり、ストレスが溜まってきます。それでも感覚が麻痺しているため、長時間労働が悪いことだという発想が起きないのです。このままいくと過労死するか、うつ病になるのがオチです。長時間労働は悪です。勤勉はもはや金ではなく、当たり前となり誰にでもできるものです。日本人だけが勤勉なのではなく、人間だれしもチャンスがあれば勤勉になります。長時間労働に頼らない経済運営を日本は考える必要があります。今以上労働時間を増やせないのであれば、どうすれば国際競争力を上げられるのでしょうか。小泉内閣時代の答えは、派遣労働者を増やして労働コストを下げることでした。それには当然マイナスの面があって、景気の悪化とともに派遣の首切りが問題となりました。低賃金の労働者を増やすことは短期的には産業に利益をもたらしますが、長期的には消費者の購買力を下げデフレを招きます。天然資源のない日本の産業のひとつは観光であるべきで、小泉内閣がその方向に舵を切ったのは評価できます。車や電気製品の輸出のみに頼るのではなく、観光による外貨収入や円高を利用した海外投資で日本を支えることも必要かと思います。勤勉は当然として、長時間労働ではなく平日8時間労働で食べていける社会にしませんか。そのために頭を使い、日本に観光客をたくさん呼べるしくみを作りませんか。国内だけを相手にしている産業は、日本の人口が減少するため衰退します。内需の減少は海外から観光客を呼ぶことで補い、多くの産業が成長の機会を国外に見つけるのがこれからの日本の生きる道ではないでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。