2012年7月28日土曜日

やっぱり原発は危険だ

日本政府は7月に大飯原発3・4号機を再稼働しました。その条件としてあげたのが「安全判断基準3点」です。これは首相官邸のウェブサイトに出ています。電源車の配備、冷却手段の確保、注水の体制、電源喪失時にも制御システムが動くようにすることが基準の1。ストレステストで、設計基準を上回る大きな地震と津波が来ても燃料損傷には至らないことを確認するのが基準の2。電気事業者が安全性向上のための計画を明らかにし、その計画を実行する姿勢を見せる事が基準の3です。ここで注意して欲しいのが、誰も「大飯原発は安全だ」とは言ってないことです。「安全性確認の手続き」を済ませたから再稼働しました、というのが建前です。福島原発のような過酷事故が大飯原発で起きない保証はそこにありません。というのも日本の原発では以前からこうした「安全性確認の手続き」をしていたのに、そこに含まれる想定が妥当かどうかの公開検証は1度もしてないからです。ストレステストで想定したレベルを上回る地震や津波が起こればもうそれでおしまいです。実は福島原発にあれだけ大きな津波が来る事は2009年に予想されていました。でも誰かがそこまで想定しなくていいと決めたので、その予想は無視されました。「安全判断基準3点」というのは所詮誰かが決めた想定に基づく基準です。その想定を上回る事態が起きれば電力会社はまた「想定外だった」と自らの責任を否定するでしょう。9・11事件のあと、アメリカは燃料を満載した旅客機が原発に衝突することも事故の想定内に入れました。2004年のスマトラ沖地震はマグニチュード9.1で津波による多大な被害を出しました。他の国で起きた事故や地震は日本でも起きると想定するのが当然ではありませんか。現実に福島原発で過酷事故を起こした以上、誰ももう「原発が安全だ」とは言えなくなりました。そこで官僚が考えたのが新しい「安全性確認の手続き」というトリックです。でも福島原発の事故はこの「安全性確認の手続き」をしていれば防げたのでしょうか。だとすれば今までの「安全性確認の手続き」には何の意味があったのでしょうか。次の大地震が東北地方太平洋沖地震より大きい津波を起こさないという保証はどこにあるのでしょうか。沿岸にあるため本質的に津波に弱い日本の原発は時限爆弾と同じです。どれだけの事故確率ならコストとの兼ね合いから原発を受け入れるか、という国民的議論がないのがマサには不思議です。それは契約する電力会社を自由に選べないという国の仕組みに問題があります。携帯なら今やドコモ、KDDI、ソフトバンクと選べるのに個人が電力会社を選べないのは、将来天下り先となる電力会社を儲けさせるための官僚の意図的な不作為の結果です。福島原発事故が起きた時まず官僚が考えたのは、どうやって事故の責任を逃れるかであり福島県民がどうなるのかはその次でした。保安院も文科省も役立たずでしたね。保安院は前例のない原発事故で思考停止状態でした。空から放射能の分布を調べる飛行機を飛ばしたのは自衛隊ではなく米軍が最初です。こうした前例主義の官僚たちに日本の舵取りを任せているのは恐ろしいとマサは思います。

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