2012年7月1日日曜日

終身雇用制度に替わるもの

終身雇用制度は法律に明文化された制度ではなく、企業の努力目標であると前に書きました。日本では会社内で従業員を一から育てるので、せっかく育てた従業員に辞められては大損です。また整理解雇の条件が厳しいので、ちょっと赤字が出たくらいでは正社員を首にできません。ところが、こうした日本独特の終身雇用制度に限界が来ています。海外の企業と競争関係にない会社や公務員を除くと、ほとんどの産業がグローバル化に直面しています。つまり海外の、終身雇用制度のない会社が競争相手です。こうした状況ではライバル企業よりも先に収益の上がる分野に投資した会社が勝ちます。それには収益の上がらない部門を切る必要があり、終身雇用制度が足かせとなります。もし日本がグローバル経済で勝ちたいと思うなら、終身雇用制度を諦めて整理解雇をしやすくする必要があります。それと同時に人を採用する場合の年齢や性別、容姿での差別を罰する法律も必要です。人を整理解雇する場合にも、同じく年齢や性別、容姿での差別を法律で禁じると共に、勤続年数に応じた退職金を払い、次の仕事を見つける手だてを提供する決まりにします。人を採りやすく、かつ解雇しやすくするのが目的です。落ち目の会社から陰湿な手段で辞めさせられるぐらいなら、明文化されたルールに従って退職金をもらい、もっと将来性のある企業で働く方がいいと思いませんか。人材が必要な時に必要な所に回る会社がグローバル経済で勝者となります。進化論で有名なダーウィンが言ったように、強いものが生き残るのではなく環境の変化に対応したものが生き残る世の中です。終身雇用制度で得するのは公務員だけです。働く方からしても、他の会社に移りやすくなれば待遇の悪い会社にしがみつく理由がなくなるので、ブラック企業は淘汰されます。

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