2020年8月22日土曜日

本土決戦

「本土決戦」とは愚かな言葉です。本土まで敵に攻め込まれたら、あとは敗戦しかありません。日本陸軍は九州にアメリカ軍が上陸し、そこから東京が狙われる事を恐れていました。「オリンピック作戦」[^1]と名付けられた米軍九州上陸作戦計画によると、1945年11月1日から大規模な攻撃が始まる事になっており、そのとき日本側だけでなくアメリカ側にも多数の戦死者が出る事が予想されていました。沖縄戦を落とした日本はもはや敗戦が確実になっていたのに、国体(天皇制)維持のために無条件降伏を拒み続けました。原爆をふたつ落とされてやっと降伏したわけで、もしここで降伏していなければ九州でさらに原爆が使われる可能性もありました。広島と長崎の原爆が日本の降伏を促し、日米双方の戦死者を減らしたのは事実です。天皇は開戦を承認し、無条件降伏を受け入れる責任がありました。陸軍の暴走を止められなかった日本の政治と、大陸への移民を後押しした国民にも敗戦責任があります。もっとも、敗戦により愚かな軍人や政治家が一掃されたので、戦後の日本が住みやすい国になったのも事実です。


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