2020年8月8日土曜日

ジョブ型雇用

30年間アメリカで「ジョブ型雇用」として働いてきた筆者には、日本の「メンバーシップ雇用」が理解できません。新型コロナのせいでリモートワークが多くなり、人を「会社でどれだけの時間を過ごしたか」で評価する「メンバーシップ雇用」では無理がある、というのは分かります。長時間勤務をなくそうという政府のかけ声のもと、雇用形態を変えたいという気持ちも分かります。でもそもそも日本で「メンバーシップ雇用」がこれだけ普及したのは、第二次大戦における徴兵が原因です。戦場からもどる人に会社が再雇用を保証したのが始まりです。いわゆる「メンバーシップ雇用」では、従業員には仕事を選ぶ自由がありません。会社が求める仕事をこなす以外に、従業員がその会社で生き残る道はありません。逆に「ジョブ型雇用」ではもちろん「終身雇用」は不可能です。でも考えてみて下さい。「メンバーシップ雇用」でも赤字部門は切られます。そこで働いていた人には「終身雇用」など有名無実です。逆に「ジョブ型雇用」でも利益を生む人は大事にされます。従業員に仕事を選ぶ自由があるのとないのでは、どちらが従業員にとって有利でしょうか。終戦(敗戦)記念日に「メンバーシップ雇用」の是非について考えてみるのも悪くありません。

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