2022年10月21日金曜日

専門家が言わない事

この記事には「日本が借金で破綻するのはあり得ない」と書いてあります。それはその通りです。政府と日銀は際限なく国債を発行して日銀が刷ったお金でそれを買い取り、国の借金を増やす事ができます。もし「破綻」が公務員の給料を払えない事だとすれば、それは起こりません。ところがそこには「専門家」が言わない事があります。経済が必要とする以上にお金を市中に出すと、お金の価値が下がって物価が上がります。今は物価上昇率2%が日銀の目標なので、これを越えたらお金の価値が下がりすぎ(円安)という理由で、逆に市中のお金を減らす必要があります。つまり増税するか、国債を減らすという事です。ところが現在の日本でこのふたつは不可能です。政府は景気腰折れが怖くて増税できず、同じ理由で国債も減らせません。すると物価の上昇(インフレ)を止める手段がありません。普通この場合は日銀が利率を上げて物価を抑えます。それには国債の購入量を減らす事が必要なので、市場で余った国債の価格が下がり日銀が大量に保有する国債が含み損になると同時に、日本の株価が下がります。これも政府が嫌うので、日銀はどちらにも動けません。特に海外に原因があるインフレの場合、政府には介入により円レートをいじる位しか出来る事はありません。つまり景気悪化を伴わずにインフレを止める手段がないので、日本はこの先も借金を増やし続け、円安とインフレが際限なく続くという運命です。「破綻」はしないけど、国民が貧乏になるのは止められません。「返す当てのない借金=赤字国債」は、今の国民と未来の国民の可処分所得を減らすというのが、「専門家」が言わない事です。

^1: https://gendai.media/articles/-/100785

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