2020年7月1日水曜日

アーキテクト不在

日本の行政をIT化するにあたっての一番の問題はアーキテクトが不在だという事です。基本設計がないまま、政治的な妥協の上に作るから使えないシステムになっています。その好例がマイナンバーです。住民票を持つ人すべてに個人番号を与えて、これで行政手続きを合理化するのが最初の目的でした。番号が大事なのであって、それに付随するマイナンバーカードは本来不要です。このICカードの表には個人情報として最も大事な「氏名、住所、生年月日、性別」が書かれており、裏にはマイナンバーが印刷されています。さらに本人確認のために写真まで付いて、このカード自体が落としたら大変な代物です。そのうえマイナンバーカードがないと不可能な事は一切ありません。普段持ち歩くには危険すぎるカードなのに、そのカードがないと困る場面がないとなれば、一体何のためにあるのか不明です。必要なのは番号であってカードではないのに、なんでこんな無駄なものを作ったのでしょう。おまけに住所を変えたら中の電子証明書を更新しないといけないとか、その電子証明書には5年の有効期限しかないという代物です。住民票と重なる情報を持たせるから無駄な更新が必要になります。そもそもバックアップ以外の理由で同じデータを複数の場所に持つのは基本的な設計上の誤りです。まともなアーキテクトがいれば、こんな設計はしません。今からでも遅くないので、まず重複しない分散データベースを作り、その間を貫くキーとしてマイナンバーを使うという設計に変えて下さい。ICカードは不要なので、そのかわりにスマホに入る仮想カードを作って、そこにマイナンバーを入れましょう。健康保険証も仮想カードにできます。スマホを持たない人には、今までの紙製マイナンバー通知カードと健康保険証を使います。

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