2022年2月16日水曜日

ウイルス進化

20世紀後半からウイルスの遺伝子を解析できるようになり、ウイルスの進化をたどれるようになりました。たとえば、スペイン風邪のウイルスは進化してA型インフルエンザ(H1N1亜種)になった事が知られています。ウイルスの遺伝子は無作為に起こるので、その中からウイルスにとって有利な変異だけが伝搬します。ウイルスにとって有利な変異は、より感染しやすくなる事と、より軽症になる事です。とくに無症状で感染だけ拡がるウイルスは、誰にも気付かれずにその数を増やします。新型コロナはまさにこの変異を持ち、オミクロン株はその9割が無症状と考えられています。そこでオミクロン株の次に出てくる変異株は、さらに症状が軽くなると予想されます。症状が重くなる変異は患者が家にとどまるので他に感染せず、最終的に残るのは感染しやすくて症状がない変異だけです。そうしたウイルスが人や動物の間をぐるぐる回る間に、また変異してその一部は重症を引き起こします。ロシア風邪のウイルスは進化して今のヒトコロナウイルスOC43になったと考えられ、オミクロン株の次の変異種もヒトコロナウイルスになると予想されます。

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