2022年4月2日土曜日

彗星衝突

映画「Don’t Look Up」のような彗星の地球衝突は「Extinction-Level Event」(生物大量絶滅事象)と呼ばれ、過去の地球に何回か起きています。有名なのは約6500万年前のユカタン半島に落ちた小惑星で、恐竜の絶滅を引き起こしました。幸いな事にこのあと哺乳類が栄え、今の人類につながっています。では人類が「Don’t Look Up」に描かれた彗星の衝突を生き延びるにはどうしたらいいでしょう。この映画では直径数キロメートルの彗星の核が南太平洋に落ちるとなっていて、衝撃波と火災で人類が滅びます。つまり核攻撃と似ているので、地下の「核シェルター」に逃げるのが良さそうです。一時的に地表がすべて火事になっても、燃える物がなくなれば火は消えます。彗星の核には放射性物質はないので、放射線の心配もありません。ただし大気中の酸素濃度は減ると予想され、「核シェルター」にいつまで籠もればいいのかは場所によります。ガスと煙により太陽光線が遮られ、地表は急速に温度が下がります。備蓄した水と食料には限りがあり、農業なしで人類が生き延びるのは無理です。人類の数は相当絞られ、多くても数千人ほどになります。大量の知識が失われるので、文明には大きな打撃です。「核シェルター」のかわりに地下鉄のホームに逃げても、水と食料がなければ死に絶えます。彗星の発見から衝突までの半年という時間的猶予の間に、数年分の水と食料を用意して「核シェルター」に避難できる人のみが生き残ります。医学知識や薬も失われ、原始時代へ逆戻りです。「核シェルター」には多くの書物も避難させる必要があります。もちろん植物の種や家畜、それに医薬品やエネルギーの備蓄も必要です。人類は高度に相互依存しているので、その人数が数千人まで減ってしまうと絶滅する可能性もあります。

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