2012年1月2日月曜日

福島原発の欠陥

マサは一応エンジニアなので、福島第一原発の設計上の問題点を調べてみました。

1 電源が無くても炉心やプールを冷却できるシステムが無かった(フェイルセーフの欠如)
2 非常用発電機とバックアップ電池が同じ場所、しかも地下にあった(津波や浸水に弱い)
3 ベントしたため原子炉建屋に水素ガスがたまり、ガス爆発を起こした(ベント系の欠陥)

サブシステムとして非常用復水器IC、原子炉隔離時冷却系RCIC、高圧注水系HPCIなどを持っていましたが、いずれもバックアップ電池が使えなくなった時点で停止しています。それぞれのサブシステムが電源喪失で停止するのはフェイルセーフとして正しいことです。しかし全体としてみるとこれはフェイルセーフになっていません。スクラムにより停止した炉心には大量の発熱があり、これを一切の電源なしに冷やすサブシステムが欠けていました。設計上の欠陥です。

非常用発電機は冷却のため海水を必要とします。さらにタービン建屋の地下に置かれていた発電機は、海水の浸水で使えなくなりました。他の場所にあっても、冷却用海水ポンプが止まったため空冷式でないものは使えなくなりました。さらにタービン建屋の地下にはバックアップ電池と配電盤があり、これらも水没したため使えなくなりました。照明や計器用電源すら失いました。設計上の欠陥です。

格納容器からベントで排出した水素ガスが、電源がないため開いていたパイプを通って原子炉建屋に逆流しガス爆発を起こしたのは、明らかにベント系の設計上の欠陥です。フェイルセーフとして、電源喪失時に逆流を防ぐため原子炉建屋につながる弁は自動的に閉まるべきです。あるいは、別々の排気塔を設けるべきです。1号機と2号機、3号機と4号機の排気塔が共通なのも欠陥です。

これら設計上の欠陥は福島第一以外の原発にも共通するものであり、ひとことで言えば全電源喪失を考慮していないということです。その対策なしに原発の運転を続けることは大変危険だと分かりました。日本のすべての原発はこの欠陥をかかえており、それでは炉心溶融事故が起きると実証されたので、いま日本の原発をすべて止めることが国民のためになるとマサは考えます。原発はもはや安いエネルギー源ではありません。

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