2021年11月30日火曜日

日本の双子の赤字

日本の財政赤字を表す表現が「ワニの口」[^1]です。それは収入と支出の差を表し、この差は1990年のバブル崩壊のあと常に拡がっています。赤字国債の発行と日銀の買い入れでこの赤字を埋めるので、2020年度を除くとこの10年で毎年40兆円ぐらいの赤字額となっています。2020年度はコロナ対策のため、その赤字額が倍以上に膨れあがりナント100兆円を越えて過去最高となりました。日銀による買い入れとマイナス金利には限度があり、どちらも限界に近づいています。アベノミクスは不発に終わり、時間稼ぎをしていた日銀もガッカリです。JT株やNTT株[^2]を売る事で赤字を多少減らす事は可能でも、その売却可能額は数兆円しかありません。しかも赤字は毎年発生するのに、株は一度売ったらそれでおしまいです。税金で経済を活性化するという方法はバブル崩壊のあと30年間にわたり失敗が続いています。つまり税金を使った以上に税収が増えていません。しかも増大する国民健康保険や国民年金保険の赤字にまで税金を投入しています。少子高齢化という人口赤字と財政赤字(日本の双子の赤字)は今までの方法では解決できません。すると円安が続くので、輸入物価はじりじりと上がります。収入が増えずに物価だけが上がる「悪いインフレ」[^3]の到来です。

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