2021年11月8日月曜日

シリコン・バレー

この記事[^1]を読んで思い出したのは、アメリカのシリコン・バレーと日本のビット・バレーの違いです。シリコン・バレーの強みは①世界最高の頭脳が集まるスタンフォード大学やノーベル賞受賞者が二桁もいるUCバークレー校があること、②風光明媚で夏は涼しく冬は暖かいSFベイエリアが移民者に優しいこと、③ビジネスで成功した金持ちがベンチャー・キャピタルを通じて新しいビジネスに投資する文化があること、の三つというのが定説です。ところが日本と較べるともっとも大きな違いは④雇用形態がジョブ型なので人材の流動性が高く、⑤有名大学を出ても大企業には行かずにベンチャー企業で一攫千金を狙うのが若者の常識であり、⑥賃金も「医者、弁護士、エンジニア」の順でとても高いという事です。こうしてみると、日本が逆立ちしてもシリコン・バレーには勝てない事が分かります。日本には世界最高の頭脳が集まる大学はないし、気候は雨が多くて夏は蒸し暑く移民はほぼゼロだし、雇用形態はメンバーシップ型で流動性が低く、エンジニアの賃金もつい最近まで「士農工商エンジニア」と言われるほど低いものでした。特に雇用形態の差が大きく、ジョブ型ならたとえ勤め先のベンチャー企業が潰れても、その経験を生かして他の企業に入る事は簡単で、しかもアップルで働いていた人がグーグルに移り、数年して今度はフェイスブックに移動して、さらにネットフリックスに移るというような高い流動性のおかげで、技術がひとつの企業に偏る事がありません。この豊富な人材を求めてシリコン・バレーで起業するベンチャーが多く、世界中から人と金が集まる仕組みがあります。

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