2023年6月18日日曜日

死の商人

日本の武器輸出を可能にする法案に関する記事[^1]を読むと、日本は大人の議論をしていない事が分かります。武器の輸出入や売買で儲ける人を「死の商人」と呼び、倫理的な問題として議論しています。日本の憲法は戦争そのものを否定しており、既に世界の現状に合っていません。でもその憲法ですら武器の輸出入や売買は否定していません。つまりこれは憲法問題ではなく、「平和国家」である日本が「死の商人」になるのはけしからんという問題です。では日本は平和国家でしょうか。日本は太平洋戦争を始めてアメリカに負けました。その当時の日本は明らかに平和国家ではありません。では今の日本はどうでしょう。ロシアとは北方領土問題をかかえ、北朝鮮とは拉致問題、韓国とは竹島問題、中国とは尖閣諸島の領有問題をかかえています。戦争はしていないけど、まったくの平和でもありません。海の国境付近ではつばぜり合いが毎日起きています。つまり日本はすでに平和国家ではありません。次に「死の商人」の何が問題なのかと言うと、人を殺す兵器を輸出入するのが倫理的に悪いことだという主張です。ところが日本は戦闘機をアメリカから輸入しているので、戦闘機は機関銃やミサイルで人を殺す兵器ですから、アメリカの「死の商人」から殺傷兵器を買っています。買うのは良くて売るのは悪いというのは偽善です。つまり他国から兵器を買う時点ですでに日本は「死の商人」となっています。日本は「平和国家」ではなく、既に「死の商人」として兵器を買っているという現実を前提にしないと、大人の議論はできません。専守防衛は絵に描いた餅であり、兵器を殺傷性の有無で区別する事は無意味です。ウクライナのように他国から侵略されたら、日本も自衛のための戦争をする必要があるという前提から議論を始めましょう。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/255094

2023年06月29日追記
日本は戦闘機を輸入しているのに、輸出は禁止というのは矛盾しています。兵器は誰が誰に対して使うかが問題で、日本製の部品が含まれた兵器は既に世界中に普及しています。

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