2023年6月8日木曜日

自動運転車の誤解

自動運転車の開発が鈍化しています。研究者やエンジニアが期待したほど自動運転は簡単ではなく、たとえ自動運転を使ってもビジネスモデルとして利益が得られていません。まず誤解を解くために、自動運転には人工知能が使われていない事を指摘します。人工知能が使われている部分はセンサーの情報から車の周りに何があるかを認識する部分で、その情報をもとに車をどう動かすかという部分はロジックで記述されています。事故が起きた時なぜ自動運転車がそういう運転をしたかを説明できる必要があるので、機械学習のような人工知能は使えません。交通法規がロジックで記述されているのはもちろん、どうすれば安全に運転できるかもロジックで記述されています。ところが事故をゼロにするのは難しく、その一方で自動運転車の事故はすぐ報道されるので、自動運転車の事故は誰が責任を取るのかが問題です。自動運転タクシーも試験的に運行されているものの、黒字化できていません。ウーバーと競争した場合、自動運転タクシーにあまり経済的利点がないからです。事故の可能性がゼロでない自動運転車を消費者が受け入れるには、まだ相当時間がかかりそうです。ただし高速道路など限られた場所での運転アシストは実用化されており、これは自動運転ではありません。

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