2025年1月31日金曜日

成果主義

この頃[^1]の日本企業を米国から見ていた筆者は、日本と米国の「成果主義」の違いに気付いていました。日本ではチームワークが成果に含まれないし、後輩の教育も成果に含まれません。もともと成果主義が普通だった米国では当たり前の事が、日本ではスッポリ抜け落ちていました。ジョブ型雇用が中心の米国では、成果主義以外に従業員の給料を決める要素はありません。ただし、その成果の定義には十分な時間をかけます。社長の方針が自分の階層にまで下がる頃には、特定のプロジェクトをいつまでにどの位の品質で完成させる、というような目標が決まります。同時にチームワークを促進する事や、後輩を教育する事、また必要に応じて優秀な新人を会社に誘う事や、あまり目立たないけど大事な仕事への貢献も成果に含めます。4半期毎のゴールには「このままやれば到達できるレベル」と「もう少し頑張れば到達できる次のレベル」が上司から提示され、従業員は話し合いの結果それに同意します。では横暴な上司にどう対処するかと言うと、ジョブ型雇用なので従業員には常に転職の道が開かれており、納得できない条件には退職を前提に交渉する事が普通です。転職も社内のケースが多く、ダメ上司ほど部下を失うという常識があります。つまり上司の成果には、どれだけ優秀な部下をキープできたかも含まれます。これはメンバーシップ型雇用にはない評価項目でしょう。成果が矮小化するのを防ぐのは上司の役目であり、手切れ金によるレイオフがない日本では成果の低い従業員を解雇することもできず、わざと低い成果を目標に選んで、上司の見かけ上の成果を維持するという方向に流れます。つまり成果主義とジョブ型雇用はセットであり、手切れ金によるレイオフを法律上許容しないと実現できないシステムです。この点はいまだに日本で広く理解されてはおらず、メンバーシップ型雇用の弊害(指示待ち)が足かせとなっています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC201ZJ0Q4A221C2000000/

2025年02月08日追記
確かに成果主義では新卒が一番不利です。そのためアルバイトやインターンが重要になります。3ヵ月程度のインターンを必須科目とする大学も米国にはあります。そのかわり中途採用が活発で、年齢ではなく職業経験が問われます。個人の向上心を刺激するのが成果主義です。年齢差別となる定年はありません。

2025年1月30日木曜日

集団就職

昭和にあった「集団就職」とは、主に地方の中卒者が都会の工場や会社に集団で就職する事で、そのために専用列車もありました。そこには地方に仕事がなく、長男以外は農業を継げないという背景がありました。その後日本は列島改造というインフラ投資で好景気の波に乗り、地方に仕事が生まれたため集団就職は廃れました。税金に余裕があればインフラ投資は地方に現金をもたらします。ところが少子高齢化で税金に余裕はなく、地方の仕事もなくなって若者は再度都会を目指します。インバウンドの波に乗ったニセコや白馬は別として、地方が人口減少という大波を乗り越えるのはまず無理です。人口減少は避けられないと諦め、少ない人口で暮らすにはどうすれば良いかを考えるのが首長の仕事[^1]です。女性の自由が少ない田舎には長男しか残りません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD150HB0V10C25A1000000/

同日追記
東京都の転入超過は外国人が大半です。この記事は日本人と外国人を区別していません。

2025年1月29日水曜日

全部ダメ

この記事[^1]は山形県の立石寺で入山料(拝観料)が現金のみという問題と、その現金を手に入れるためにインバウンド客がカードで買った土産物を返して、代金を現金でもらうという問題を報告しています。まず返金についていうと、これはカード利用規約違反です。犯罪を防止するため、カードにより買ったものを返す場合、代金はカードの口座に返金します。小売店が客に現金を返すのは規約違反です。これは犯罪者が盗んだり拾ったりしたカードで現金を得ることを防止するためです。次に入山料がお布施のため現金のみというのは、寺が収入を税務署に把握されたくないからで、一種の脱税です。お布施(寄付)ならいくらでも良く、払わないという人を拒否できません。インバンド客は寺のためというよりも、地元にお金を落としに来ています。だから入山料を取るなら寺はキャッシュレスに対応するべきで、回りの小売店に問題を押しつけてはいけません。折衷案としては、海外のカードが使えるATMを備えたコンビニを地元に設けるのが良いでしょう。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/cc62f99942002c4b6d115f37e9f41a5f1aa6bf92

2025年1月28日火曜日

政府備蓄米

コメが高いので、政府備蓄米を放出するそうです。日本の年間コメ消費量は679万トン、これに対して備蓄量は91万トンです。もし備蓄の半分を放出すると、年間コメ消費量の6.7%位になります。日本のコメは総量が不足しているのではなく、流通の段階で在庫が分散しているのが高騰の原因だ[^2]という指摘もあります。それならショック療法を狙って、備蓄の半分をまとめて出すのが得策です。出し惜しみをしている流通業者を売り急ぎに追い込むためです。でも価格の暴落も避けたい政府は、少しずつ放出して様子を見るという事になりそうです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2428M0U5A120C2000000/

2025年01月31日追記
17万トンの分散在庫には備蓄米の放出が効果的、でも生産調整を止めるのも必要です。

2025年02月14日追記
5kgで3000円の小売価格を実現できれば、政府の備蓄米放出は成功と判断します。もしこれが失敗すると、世論は輸入米の関税撤廃や減反補助金廃止という方向に進むでしょう。

2025年02月16日追記
コメが投機の対象になるというのは農林省のミスです。食料安全保障以前の話です。

2025年02月17日追記
コメの販売が自由なら生産も自由であるべきで、輸入の関税も見直すべきです。

2025年02月19日追記
もしこの記事が本当なら、コメの値段は下がりません。残るは輸入米のみです。

2025年03月09日追記
政府はコメの平均コストが5kgで1,333円としています。その3倍が小売価格とすれば4,000円です。つまり適正価格はこのくらいとなります。ますます輸入米の出番です。

2025年1月27日月曜日

体感物価

消費者物価指数という数値があります。これは変動の大きい生鮮食品を除くので、体感物価とは乖離しています。その消費者物価指数が2024年12月に3%になった[^1]という報道がありました。2024年全体では2.5%の上昇だそうで、体感物価だとその10倍ぐらいですから大きく乖離しています。消費者が重視するのは毎日の食料品の値段です。スーパーに行っても値上げが多く、肉や野菜も高騰しています。これでは消費は増えないだろうなと思います。額面では増えていても、実質では減るでしょう。実質賃金のマイナスが続くのは、アベノミクスの失敗です。

2025年1月26日日曜日

地方創生

地方創生[^1]という新しい言葉は2014年に登場したので、筆者はそれが何を意味するのかよく分かりませんでした。ところがその成功例[^2]を見ると、どうもこれは「地域活性化」を言い換えたものらしいです。創生というから新しい地方をゼロから作るのかと思ったら、違いました。予算を取るために既存の政策に新しい名前を付けたという事です。その基本は「少子高齢化」対策であり、日本全体の問題です。ところが日本は移民反対なので、少子化は避けられません。そうした場合、筆者は人口集約がひとつの解決策だと思います。広くバラバラに住むのではなく、人口を集めた中核都市を地方に造るという考えです。でも実際行われているのは、自分は動かずにいかによそから人口を自分の町に持ってくるかという競争です。これが不毛な競争である事は自明でしょう。部分最適の集合は全体最適になりません。昭和の経済モデルが時代遅れとなったのに、それを目指すのがそもそもの間違いです。人口が増える国は借金して国内投資ができます。インフラを作り工場を建て製品輸出でドルを稼ぐというモデルです。今は逆で日本は人口が減る国です。インバウンド以外に地方でドルを稼げるモデルはありません。世界には観光で食べている国がいくつもあります。日本もそのひとつになるべきです。

^1: https://www.publicweek.jp/ja-jp/blog/article_41.html

2025年02月12日追記
人口減でも生きられる国に必要なのは、大幅なロボット化への投資です。

2025年02月13日追記
人口減や過疎化は何年も前から分かっており、有事ではありません。

2025年02月16日追記
かくして税金は浪費されるという典型でしょう。会計検査院の怠慢でしょうか。

2025年1月25日土曜日

ジョブ型雇用

この記事[^1]はジョブ型雇用の利点を指摘しています。ところが記事はジョブ型雇用を成果主義と呼んでいます。この二つは同じではありません。メンバーシップ型雇用のまま中途半端な成果主義を取り入れて失敗したのは日本の大企業です。ジョブ型雇用では自分の仕事の範囲が明確なので、自分で働くペースを決める自由があります。また求められる仕事のレベルも明確なので、それを満足したかどうかで待遇が決まります。つまり仕事の自由度が高い反面、個人として結果に責任を持つという事です。外資系は基本的にジョブ型雇用であり、就職するときの職務記述書は大事な文書です。ところが日本では手切れ金による解雇ができないので、ジョブ型雇用は中途半端なものになります。仕事に人を付けるという考え方がジョブ型雇用であり、会社を替わる以外に大幅な賃金上昇は望めません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE249650U4A221C2000000/

2025年01月28日追記
裁量労働制とジョブ型雇用はほぼ同じです。専門職とは本来そういうものです。

2025年01月31日追記
日本は手切れ金による解雇(レイオフ)ができず、外資系も実は困っています。

2025年1月24日金曜日

計算方式

行政が採用する計算方式には古くさいものが残っています。この厚生年金の保険料[^1]もそうです。単純に収入の18.3%にすれば良いのに、収入を複数の範囲に分けて基準額の18.3%としています。その目的は計算を簡単にする事で、コンピュータがない時代には意味がありました。前もって計算結果を表にまとめておけば、あとは収入がどの範囲に入るかで計算せずに保険料が分かります。でも令和の今は保険料の計算などすべてコンピュータがやっています。例外的に電卓を叩く人がごく少数いるだけです。だからもう計算を避ける理由はありません。こうした昭和の名残は不合理で、むしろ計算の手間を増やしています。まったくバカバカしい。この不合理が問題にならない日本はどうかしてます。

2025年1月23日木曜日

ミスマッチ

この記事[^1]は文系大卒の仕事がミスマッチ、つまり需要を大幅に上回る供給があり、その一方で現場作業をする技能者が不足していると指摘しています。これは日本だけの傾向ではありません。このミスマッチの解消には、需給を反映した給料の増減と、教育界の変化が必要です。事務職の賃金が技能職より高い現状で、事務職希望者に技能職になれとは言えません。また大学も将来を見越して必要な人材を育成するという設立目的に沿って、学部構成を時代に合わせて変える努力が必要です。就職率の高い大学は、そうした努力を怠りません。ITの進化に伴い事務職は減っています。若者は有名大学に漫然と進むのではなく、卒業後の就職まで考えて専門職を目指しましょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE1525V0V11C24A1000000/

2025年1月22日水曜日

男女分断

トランプ大統領が男女分断を煽った[^1]という見方は単純すぎます。トランプ支持者には女性も黒人もいて、唯一の共通点はキリスト教信者だという事です。でもアメリカ人の大半はキリスト教信者なので、これがトランプを勝たせた訳ではありません。アメリカのジニ係数は0.5に迫っており、貧富の差がトランプに有利に働いた事は間違いありません。不法移民問題も大きく、反対に妊娠中絶は争点になりませんでした。経済のグローバル化は貧富の差を拡げ、取り残された国民が高学歴指向の民主党にダメ出しをしたというのが真相です。でも貧富の差が縮まる見込みはありません。政府の要職に何人の女性が就くかをみれば、トランプが女性差別主義者かどうかが分かるでしょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK246NF0U4A221C2000000/

2025年1月21日火曜日

公平とは

この記事[^1]はトランス女性が女性スポーツに参加できない米国の法律を取り上げています。その根底にあるのは「公平とは何か」という問いです。ボクシングでは性別の他に体重でクラス分けがあります。これは体重が重いほど有利だからです。でも日本の相撲では体重によるクラス分けはありません。体重も本人の努力の結果という考え方があるからです。どちらが公平かというと、どっちも公平と言えます。スポーツにおいてトランス女性が問題になるのは、体格や筋肉量で有利となるからです。逆のケース、つまりトランス男性がスポーツで問題になることはまずありません。筆者は男女別の他に、トランス女性だけのクラスとトランス男性だけのクラスを作るのが公平だと思います。つまり全部で4個のクラス分けです。体格や筋肉量があまり競技に影響しないスポーツ(競馬、競艇など)もあるので、全部のスポーツに4個のクラスが必要とは思いません。スポーツごとにルールを決める中で、トランス競技者をどう扱うかもルールに含めるだけです。するとトランス女性だけでなく、男女そのものも定義が必要となります。男性ホルモン量で決めるのか、染色体で決めるのか、出生時の外見で決めるのかという問題です。オリンピックでは競技に出るために国籍を変える人がいます。同様に競技に出るために性別を変える人がいても不思議ではありません。そこでトランス・クラスを別に設けるのが公平です。これは社会的な男女区別とは異なります。

^1: https://www.asahi.com/articles/AST1G7KT5T1GUHBI00KM.html

2025年1月20日月曜日

自己否定

フジテレビがまたやらかしてます。大谷選手の自宅をバラしたのに続き、今度は元ジャニーズ事務所の有名タレントにまつわる社長会見でテレビ報道を阻止[^1]しました。テレビ局の会見で動画や配信を排除するとは、立派な自己否定です。つまりテレビ局はテレビ嫌いだという事です。自局のテレビ中継もありません。筆者は今回の問題がフジテレビという会社の体質をよく表していると思います。自浄作用がないという意味で、ますますフジテレビが嫌いになりました。しばらくフジテレビを視るのはやめようと思います。

^1: https://www.yomiuri.co.jp/culture/tv/20250117-OYT1T50168/

同日追記
消費者はフジテレビを視なければいいだけの話です。

2025年01月22日追記
この人も何か隠してますね。立場上言えない事もあるという顔をしてます。

2025年01月31日追記
繰り返すけど、フジテレビを見なきゃ良いだけの話です。親がバカなのかね。

2025年1月19日日曜日

白物家電攻勢

韓国と中国の家電メーカーが高額白物家電[^1]で日本に攻勢をかけています。日本はパナソニックや日立といった老舗メーカーが防戦一方で、海外に打って出る前に日本で攻め込まれています。アメリカのコストコ[^2]ではLGやサムソンが白物家電を売っており、そこに日本メーカーの姿はありません。このままでは日本メーカーは高額白物家電で韓国や中国に負けるでしょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB158HQ0V11C24A0000000/

2025年01月24日追記
国内テレビの中国シェアが50%を超えたという報道です。レグザは中国なので。

2025年1月18日土曜日

既得権益

どの国でも政治家は仮想敵から国民を守るというスローガンを使います。仮想敵は時と場所により変化し、自然災害、移民、外国、自国民の一部などが使われます。既得権益もそうした仮想敵のひとつで、経済的弱者や若者にアピールするスローガンとなっています。既得権益が何を指すかは人により異なり、政治家はこの点を曖昧にします。そこでスローガンを聞いた人は、それぞれ自分に都合の良い解釈をします。何が(誰が)既得権益なのかを明確にしない政治家は信用できません。そもそも既存の政治家そのものが既得権益だという場合が多いのです。公務員も既得権益ですし、年金を受給する高齢者も既得権益です。児童手当を受ける子供も既得権益に入ります。法律に守られた医師や農家もそうです。

2025年1月17日金曜日

BS4K放送

日本でBS4K放送を続ける理由はないと思います。放送技術の向上が目的としても、もうその目的は達成したという事です。実際、BS4Kの放送はNHKも民法もほぼBSと同じ番組を流しており、わざわざBS4Kを選ぶ理由がありません。4Kは解像度が高いとしても、その差に気づく番組などないという事です。放送の競争相手は配信であり、番組内容で勝負が決まります。いまBS4K放送を停止しても誰も困らないのが実情です。NHKはメンツがあるので固執するかもしれませんが、放送局もコストダウンが必要ならBS4K放送から撤退すべきです。ましてやBS8Kなど、いったい誰が視ているのでしょう。お金のムダは止めましょう。

2025年1月16日木曜日

住宅耐震化

東京に大地震が来るのは間違いありません。そのため学校やマンションの耐震化が進み、残るは木造住宅だけです。この記事[^1]も指摘しているように、1981年以前に建てられた家は地震に弱く、震度7の揺れで全壊します。昭和前期に建てた家は東京にまだたくさんあり、こうした家が倒壊すると道をふさいだり、電線を切って火事を起こします。基礎をやり直すのはコストがかかるので、壁に筋交いを入れたり合板を貼り付けるといった方法で全壊を防ぐことができます。東京都は予算が豊富なので、そうした住宅の耐震化を進めるべきです。また東京でも空き家が増えており、広報を通じて空き家を減らす努力が欠かせません。長期間の空き家は固定資産税を増やすなどの措置も必要です。

^1: https://bunshun.jp/articles/-/75642

2025年1月15日水曜日

ホンダと日産

筆者はホンダと日産の経営統合に反対です。日産は鴻海に買われた方が企業価値が上がります。これは日本政府が台湾企業による日本企業の買収を阻止したのだと思います。ちょうどアメリカ政府が日本製鉄のアメリカ企業買収を阻止したのと同じです。ホンダと日産は製品群がほぼ同じで、相乗効果は望めません。しかも企業文化が水と油で、結婚してもすぐ離婚します。日産と三菱が組んで何か良い事がありましたか。ホンダがお荷物を抱え込むのは明らかです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOTG06AK20W5A100C2000000/

2025年02月05日追記
ホンダと日産の経営統合は破談となりました。ホンダにとっては良い結果です。

2025年1月14日火曜日

ロスの山火事

まず最初に「これは他人事ではない」と断った上で、住民の「自業自得」であると思います。ロスは砂漠の上に作った町で、もともと水不足です。このため北カリフォルニアから運河で水を引いて水道水にしています。その結果中央カリフォルニアでは農業用水が不足し、砂嵐が舞っています。エネルギーを使いすぎのアメリカはCO2を大量に排出しており、ロスは雨期なのに雨が降りません。そのため山林が乾燥し、一度火がつくと止まりません。発火は送電線が原因かもしれず、花火や放火の可能性もあります。2008年に建築基準が変わって、山火事に強い屋根や構造が求められました。でも既存の建築には適用されないので、山火事に弱い家がほとんどです。気候変動を甘く見てはいけません。

2025年1月13日月曜日

CO2地下貯留

海外のCO2地下貯留は、主に古い油田やガス田にCO2ガスを注入する方式です。これには残った原油を押し出す効果もあり、一石二鳥です。ところが日本にはそうした油田やガス田がありません。すると注入したCO2ガスがどこに滞留するかは、やってみないと分かりません。地質調査でガスがもれないだろうとされる場所も、その後の地震で岩に割れ目ができ、そこからCO2ガスが漏れる可能性は常に存在します。そうなった時は誰が責任を取るのかをまず決めてから、地下貯留[^1]を進めてもらいたいと思います。もちろん国産エネルギーを増やすには、CO2地下貯留よりも再生可能エネルギーに税金を使うべきです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2734P0X21C24A2000000/

2025年01月14日追記
地下貯留よりCO2を資源として生かす方が良いでしょう。発想の転換です。

2025年1月11日土曜日

農政問題

日本のコメはいつも農政問題となっています。農家は票田でもあり、コメは食料安全保障でもあるからです。夏の高温で収量が落ちた2023年度産から、コメは供給が減っています。それなら供給を増やすべく、転作奨励金を減らすのが筋です。コメ農家が十分な収入を得る事には反対しません。ただし、物には限度があります。流通が自由化され値段が上下するのに、作付けには国からの減反圧力があり、自由化されていません。コメの値段が上がるなら供給を減らす必要はありません。インバウンドによる消費量は年間の0.5%程度であり、温暖化と地震による買い占めが価格上昇の原因です。日経の新聞記事[^1]ですら原因を取り違えています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB09CDV0Z00C25A1000000/

同日追記
兼業農家は規模が小さく、自家消費と親戚の分しか作りません。黒字化には規模の拡大が必要。

2025年01月24日追記
1年で倍以上になったコメの値段を下げるために、政府備蓄米を放出するそうです。

2025年1月10日金曜日

駐車場の空き表示

屋根があったり複数階にまたがる駐車場の場合、その階に何台分の空きがあるかと、どこにその空きがあるかを電光表示できます。各スポットに車があるかどうかは天井にセンサーを付ければ分かります。スポットの上、通路を走る車から見える天井の位置に緑と赤のLEDライトを付け、そのスポットが空いていれば緑、空いていなければ赤の表示です。またどれだけの空きがあるかも同時に分かるので、階ごとにいくつ空いているかを数字で表示できます。これは実際にラス・ベガスのホテルの駐車場で使われている方法です。日本もこれを真似して、駐車場での人身事故[^1]を減らすべきでしょう。

^1: https://merkmal-biz.jp/post/82907

2025年1月9日木曜日

西洋宗教

西洋の主要な宗教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教は共通の唯一絶対神の存在を前提にしています。この神は英語ではゴッドでアラビア語ではアラーです。ところが神と人の間には預言者がいて、神の言葉を人間の言葉に翻訳します。そこで宗教が分かれてしまい、今度は覇権争いが起きます。キリスト教徒はイスラム教徒と戦争し、イスラム教徒はユダヤ教徒と戦争しています。ユダヤ教徒とキリスト教徒の戦争はホロコーストや半ユダヤ主義として残っています。こうした西洋宗教の間に戦争があるという事実は、共通の唯一絶対神、全知全能の神がいない事の証明になっています。人間同士の戦争は愚かな行為であり、全知全能の神がいれば絶対起きないものです。人間同士の戦争が起きるのは、神が全知全能ではないか、共通の唯一絶対神ではないか、あるいはそもそも神などいないからです。ユダヤ教のモーゼ、キリスト教のイエス、イスラム教のムハンマドはみな預言者です。人は自分に理解できない事を神のせいにします。それは精神衛生上とても役に立つ考えではあるものの、預言者の弟子たちが人々を支配する道具にもなります。戦争は常に神の願望とされ、支配者の欲望である事は誤魔化されています。西洋宗教と政治は不可分であり、戦争の原因となっています。

2025年1月7日火曜日

鯨肉

この記事[^1]を要約すると、「日本のタンパク源として鯨は大切だから、高級食材として鯨を食べ続けよう」となります。そのために日本が選んだ道がIWCからの脱退で、自国のEEZ内での生息数の0.005%を捕獲しています。世界で捕鯨を続けている国はノルウェイと日本だけになり、圧倒的少数派です。「かわいいクジラちゃんを殺すな」という感情に「クジラっておいしそう」という売り込みは効きません。世界的に「賢い動物は食べない」のが潮流で、日本だってイヌを食べません。日本人に「イヌは美味しいから食べよう」という売り込みが効かないのと同じです。またイルカも食べない国がほとんどで、日本は数少ない「イルカを食べる国」のひとつです。イルカは鯨と同じ海洋哺乳類で、小さいのがイルカ、大きいのが鯨と呼ばれます。衣類としての毛皮が廃れたように「賢い動物は食べない」という世界の潮流は無視できません。日本のタンパク源には鯨のかわりになるものを見つける方が良いでしょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFE14A510U4A111C2000000/

2025年01月12日追記
イルカは可愛い、鯨も可愛い、けどイルカも鯨も食べちゃう日本って、なに?

2025年1月6日月曜日

縮んで勝つ?

筆者は河合雅司氏の著作「未来の年表」から日本の人口減少問題を学びました。そのため最新作「縮んで勝つ」[^1]には期待を持っていたものの、読んでみてその期待は失望に代わりました。ただし、これは人口問題が「未来の年表」出版当時よりずっと悪化してるためであって、河合雅司氏の責任ではありません。1部と2部で日本の人口減少を色々な数字で表した後、3部では「外国人依存からの脱却」と「薄利多売から厚利小売へ」という方向が示されています。でも定性的な話が多く、具体的な数字を使った前半の説得力には及びません。もちろん、経済モデルを使って30年後の日本を予想するのは経済専門家にも難しいので、これは仕方ありません。また財政の問題、つまり「税と社会福祉」の議論が3部で無視されているのも残念です。人口減少は財政収入の減少であり、今までのようなバラマキは続けられません。財政赤字を続ければ円安が進み、物価が上がって実質賃金が下がります。日本人1人あたりの利益を増やすという案にも、リスキリング以外にそれをどう実現するかは書いてありません。筆者のように「ゾンビ企業は潰せ」というような尖った策がなく、全般的に物足りないという印象が残ります。結局日本の人口問題に妙案はないという事でしょう。筆者なら大幅なロボット化を目指します。これは国が推進しないといけません。もちろん他の自治体から人口を奪うという発想ではダメです。


2025年01月08日追記
アメリカは本気でロボット化を進めています。日本はすでに周回遅れです。

2025年01月14日追記
人手不足倒産は今後も増えるでしょう。経済の活性化に必要な過程です。

2025年01月20日追記
ゾンビ企業が減っているという報道です。税金のムダが減るのは良い事です。

2025年01月24日追記
政治家は夢を売る商売、人口集約など口が裂けても言えないという事です。
自分は動かないが、他の人はここに移住してくれというのは自己矛盾です。

2025年02月07日追記
中国の進化が驚異的です。日本は周回遅れで、ロボットとAIの融合が見えません。

2025年1月5日日曜日

最低賃金すら

最低賃金すら払えない会社[^1]はゾンビ企業同然なので、事業を売却するか止めましょう。製品を値上げできないのは市場競争力がないからで、会社の経営努力が足りません。こうした企業に税金から補助金を出しても戻ってきません。地元の雇用を守るなら利益を出す必要があり、それができないなら退場です。そして地元に仕事がなくなった人は、仕事を求めて引っ越すのが正解です。こうした新陳代謝の低い国は滅びます。筆者は成人してから10回引っ越ししています。すべて生きるため、仕事を求めての引っ越しです。体という資本を生かすには、より良い雇用条件を求めて移動しましょう。

^1: https://www.jiji.com/jc/article?k=2025010400276

20250108追記
マスコミにはこういう事情もあるので、読者は油断してはいけません。

2025年01月10日追記
黒字でも希望退職というのは、新陳代謝の表れです。職業価値は場所で違います。

2025年01月11日追記
赤字企業は退場するのが当然です。利益なき賃上げはできません。

2025年1月4日土曜日

移民恐怖

日本人の移民反対は、よそ者が日本を乗っ取る心配に由来します。日本が日本でなくなるという恐怖です。よそ者は言葉が違い、文化が違い、宗教が違い、常識が違います。そうした人たちと仲良く共存できるという見込みがなく、自分が移民との経済競争に負ける事を恐れています。その反面、日本は海外からの投資家や企業家を必要としており、解体など3K仕事に就く人は外国人が多いのも現実です。東京なら外国人が働いていないコンビニはまずないでしょう。移民という言葉には強い反発がある反面、ステルス移民が日本に増えています。欧米の先進国では移民が増えすぎて色々な問題を起こしているので、仲良く共存できる自信がない日本人は、このままステルス移民に頼るしかありません。そうした「移民」が増えてくれば、やはり様々な問題が起きるでしょう。労働者の1割が「移民」になり、その人たちが政治力を求めてストを行えば、日本経済は大きな打撃を受けます。

2025年1月3日金曜日

年金制度改革

5年に一度の年金制度改革に際し、厚労省が厚生年金から基礎年金への資産の移転を提案[^1]しています。65兆円を厚生年金から、70兆円を国庫から出す事で、基礎年金の今後の給付減額を減らす計画です。なぜこのような移転が必要になったかと言えば、想定より少子化が速く進む一方で、物価に応じて給付額を変えるマクロスライドがデフレ下で発動されず、基礎年金の払いすぎが発生したからです。年2%のインフレが続くと仮定すると、この払いすぎを取り戻すために2070年には基礎年金が今より3割ほど給付水準低下となります。これを厚生年金の積み立て金と税金で1割減に抑えるのが目的です。提案では2036年をメドに厚生年金と基礎年金を1割減額するようで、やはり少子化のせいで今の給付水準は維持できないという計算です。それでも所得代替率50%は法定目標なので、そこは守られる計算なのでしょう。ただし70兆円を国庫から出すには最低でも消費税の1%追加が必要で、今後の増税は避けられません。


2025年01月14日追記
厚生年金を減らすのではなく、消費税を上げて基礎年金を上げるのが正解です。

2025年1月2日木曜日

懲りない業界

この記事[^1]は、仮想通貨が北朝鮮のハッカーに盗まれたと指摘しています。同じ事がもう何年も起きています。その資金で北朝鮮は核開発とミサイル開発を続け、経済制裁を無効化しています。仮想通貨業界の認識が甘すぎます。日本の安全保障に直結するミスをしていると分かっているでしょうか。またもや「委託先の社員」がセキュリティの穴になりました。コストを下げるために大事な仕事を外注すれば、しっぺ返しがあるという事です。残念ながら外注先となる企業は人員のレベルが低いため、そこを突いてくるのがプロの仕業です。「管理権限」が必要な仕事を外注するのは大間違いです。

^1: https://www.yomiuri.co.jp/national/20241223-OYT1T50182/

2025年1月1日水曜日

2025年度予算

この予算案[^1]を見ると、すでに2025年度のプライマリーバランスは諦めたというのが分かります。28兆2179億円の国債費を払って、28兆6490億円の国債を発行しています。国債費を除いた支出は87兆3236億円となり、これを国債以外の収入である86兆8925億円で払おうとすると、4311億円足りません。国債費を上回る国債を発行する限り、プライマリーバランスは赤字です。つまりこれだけ税収が増えても、ワニの口が開いたままです。この調子では日銀は政策金利を上げる事ができず、さらに円安が進行します。国債を増やすと円安になるという悪循環です。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/376386

2025年01月14日追記
また問題先送りです。もう黒字化目標が話題になることもありません。