2021年5月15日土曜日

行政デジタル化の目的

行政デジタル化の目的はたったひとつです。「行政の合理化により税金を減らす」という事です。これが国民全体で同意出来なければ、どんな行政デジタル化も失敗します。今までの失敗は根本的に目的が曖昧だったからです。複数の目的を持たせてはいけません。開発方法と予算の立て方が合わない[^1]というのは副次的な問題で、根本的な問題ではありません。プライバシーを保護しながら「行政の合理化により税金を減らす」のが目標であれば、複数のシステムをマイナンバーで横串する形になり、最初に統一したアーキテクチュアを確立する必要があります。縦割りでも設計思想が共通なら、再利用可能な部品を組み合わせてそれぞれのシステムを組み立てる事が可能です。省庁ごとに分散されたシステムでも、安全なAPIを持たせて、ある程度独立しつつ相互にデータをやりとりする事ができます。使い勝手が良いとか、開発コストが安いというのは目的ではなく、満たすべき品質として数字で測れる形で仕様に入れます。同じデータを再度入力しないとか、行政手続きにかかる時間を大幅に減らすのは当然としても、目的はあくまで「行政の合理化により税金を減らす」です。日本では目的と手段を混同する場合が多いので、デジタル化はあくまでも手段のひとつであり、それ自身が目的ではない事に注意が必要です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA104MH0Q1A510C2000000/

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