2023年1月28日土曜日

異なる価値観

日米間で一番違う価値観は、その雇用思想にあります。日本ではひとつの会社に長く勤める事が良しとされ、また会社もまっさらな新卒を雇用して、時間をかけてその会社に適した従業員に育て上げるのが良いとされます。終身雇用と右肩上がりの経済では当然と言える方法です。逆に米国では、経験者を雇って即戦力として働いてもらう事に重点があり、現場の管理職に人事権があります。いわゆるジョブ型なので、会社の方針が変わって不要となった人材はすぐ解雇です。最近のIT企業の人員整理が良い例です。米国の俊敏さを目の当たりにして、日本人は「米国みたいにすぐ解雇されるのはたまらない」と思う人がほとんどでしょう。でも米国では新卒より中途の方が価値が高く、転職が給料を上げる機会になっています。年齢による就職差別を法律で禁止しているので、仕事の能力が同じならより経験を積んだ人が採用されます。つまり「解雇も容易だけど、再就職も容易」というのが米国です。年齢による差別が禁止という事は、定年退職もありません。他国の人材を引きつける力があるという点で、米国の価値観は日本のものよりも時代に合っているのでしょう。

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