2022年6月18日土曜日

ホログラフィー

三次元情報を二次元媒体に記録し、それを再生する技術をホログラフィーと呼びます。視点の移動により、それまで隠れていた場所が見えるようになるなど、まるで実物が目の前にあるかのような映像が得られます。これと似て非なるものが、両目の視差を利用した立体(三次元)画像です。ふたつの二次元画像を左右それぞれの目で見る事で、擬似的な三次元情報を得ています。でもこれはホログラフィーではありません。視点の移動によって、それまで隠れていた場所が見えるようになる事はありません。たとえば、一時期流行した3D映画は両目の視差を利用した立体画像で、液晶レンズ付きのメガネで左右の目に入る画像を調節しています。でも劇場の左側にいる人と右側にいる人は、同じ立体画像を見ていました。コーナー・ミラー・アレイを使った空中ディスプレーも、基本的にホログラフィーとは無関係です。光源が二次元なら空中に二次元の実像が浮かびます。コーナー・ミラー・アレイそのものに、三次元情報を記録したり再生する機能はありません。なのでコーナー・ミラー・アレイをホログラフィック・プレートと呼ぶのは誤りで、それはただの販促用語です。

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