2022年6月24日金曜日

原発安全神話

化石エネルギーのインフレにより、日本でも原発再稼働を求める動きが活発化してきました。そこで使われるフレーズが「安全が確認された原発」というものです。これは大きな誤解で、日本に「安全が確認された原発」はひとつもありません。正しくは「安全基準に適合した原発」です。では何が違うかと言うと、「安全基準」には前提もしくは想定があります。地震なら最大マグニチュードいくつ、津波なら最高何メートルといった想定です。その想定内なら安全のはずというのが安全基準です。つまり想定外の事が起きれば安全ではありません。想定外の事が起きれば大事故につながるのが原発であり、これは2011年の福島第一原発事故で日本人全員が経験した事実です。それに戦争で原発にミサイルが当たればどうなるか、という想定は今の安全基準にはありません。ウクライナ戦争をみれば分かるように、原発は真っ先に敵の攻撃目標になります。さらに「安全基準」に適合していても、そこで働く従業員にスパイが紛れ込めば簡単にテロ攻撃を起こせます。「安全が確認された原発」など日本にないという事から議論を始めれば、古い原発の再稼働より再生可能エネルギーの強化を優先すべきという結論になります。

2022年07月14日追記
控訴は当然として、日本の原発事故の賠償責任には法律上の上限がないので、たとえ「安全基準に適合」していても経営陣は多額の賠償責任を免れません。これは法律が悪いのであって、いまの無事故を前提とした法律を、事故を前提とした法律に変える必要があります。

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