2022年6月25日土曜日

別シナリオ

アベノミクスと日銀が予定していたシナリオは、「生産性向上=>賃金上昇=>需要拡大=>物価上昇=>生産性向上」というスパイラルです。いわゆる景気の好循環でもあります。ところが今の日本で起きているのは「外的要因による物価上昇」のみです。要因が物流のトラブルや化石燃料価格の上昇、コロナへのリベンジ消費や円安であるため、これを賃金上昇に結びつけるのは高いハードルになっています。賃金上昇には生産性向上が必要なので、政府はDXによる効率化を促しています。ところが国内市場は少子高齢化で縮小しており、その中で効率化を求めれば仕事のない人が増加します。日本では手切れ金による解雇ができないので、効率化は進みません。労働者も賃金か雇用かと二者択一を迫られると、雇用を選びます。つまり日本の雇用制度が前近代的であるため、いつもDXは中途半端に終わります。年齢による就職差別を禁止すると同時に、手切れ金による解雇を法律で認めるという雇用制度の近代化が必要です。つまり雇用制度を世界標準に合わせるという事です。すると定年制度と年功序列もなくなります。雇用制度を世界標準に合わせるには、おそらく10年はかかるでしょう。人口が減少する国では隣国で戦争でも起きない限り、景気の好循環は起こりません。ここで腹をくくって雇用制度を改革するか、それともこのまま少子高齢化を続けて衰退するかは国民次第です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。