2023年5月16日火曜日

賃金上昇とインフレ

日本の賃金が2023年に上昇しています。賃金が上昇すると労働コストが高くなるので、さらにインフレになります。ところがこのインフレは長続きしません。まず日本の消費の主役が誰であるかを思い出しましょう。この年代別消費額[^1]によれば、中高年の消費額がもっとも大きくなっています。さらに日本の人口分布[^2]をみると、中高年にピークがふたつあります。その下の年代は尻すぼみになっており、この二つを掛け合わせると、お金を使うのは主に中高年であって、若者ではない事が分かります。ところが賃金の上昇は中高年、特に年金生活者には影響しません。年金の額は制度により物価の上昇ほど上がらず、年金は実質目減りします。するとこの世代は支出を減らすので、物が売れなくなります。つまり他の国なら進行するインフレの悪循環が日本では起きません。日銀の指摘通り、このインフレや賃金の上昇は一過性のもので、2024年には終わります。縮小する国内市場のデフレは当然であり、人口問題に手を付けずに日本の経済問題を解決する事は不可能です。

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