2025年7月24日木曜日

ワニの角

平成の頃は、財政支出と収入の差が年々ひらく事を「ワニの口」と呼びました。ところが令和の今、誰も「ワニの口」は問題にしません。それはコロナ禍で歳出が急に大きくなり、ワニの口に角が生えたからです。ワクチン接種と国民全員への給付金でタガが外れた財政は、平時の額に戻るのが遅れて角の形になりました。もはや口の形ではないので、「ワニの口」という表現は使いません。でも財政赤字がなくなったわけではなく、むしろ国債残高は着実に増えています。政府は2025年に達成するはずだったプライマリー・バランスを諦め、インフレによって増えた税収を利用して、それ以上に支出を増やそうとしています。こうした財政運営に対して文句を言う国民が1人もいないのは、まだ生まれてすらいないからです。こうした国債というツケを払うのは次世代やその次の有権者であり、まだ選挙権を持っていません。デフレがインフレになって良かったね、ではないのです。実質賃金をプラスに持って行き、国債残高を減らす事ができなければ、日本人はますます貧乏になります。消費税をなくせとか、利率を下げろと言うような目先の話ではなく、人口減少下で経済成長するにはどうすれば良いかを議論してほしいものです。もちろん雇用より賃金を優先せよというのが、筆者の回答です。

当日追記
国債の60年償還ルールをなくすと、日銀がお札を刷って際限なく国債を買うので円安が進み、より物価高になります。財政規律のない国の通貨は暴落するというのが定説です。

2025年08月10日追記
国債残高を減らせるほどの税収はないのに、減税を求めれば長期金利は上がります。

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