2021年6月27日日曜日

核燃料再処理工場

青森県六ケ所村にある核燃料再処理工場[^1]は、変われない日本の顕著な例です。もう14兆円以上をつぎ込んでいるのに、この工場建設をやめる事ができません。(14兆円というのは国民ひとり当たりで12万円です。)理由はふたつあり、ひとつは使用済み核燃料を再処理しないと決めると、電力会社がもっている使用済み核燃料が資産からゴミに変わるので、電力会社が抵抗しているという理由と、日本がいつでも核武装できるようにプルトニウムの生産技術を国産化したいという理由です。前者は核燃料サイクルが不可能になっているにも関わらず政府がこれを認めず、後者は国民が望んでいない核武装に電気代を使う事を政府が認めており、本当はもっと安くできる電気代を高くしています。しかもいったん再処理が始まると放射性廃棄物がさらに増えるので、今だに場所が決まらない最終処理施設を大きくしなければなりません。日本はプルトニウムを使う高速増殖炉の実用化を諦めたので、使用済み核燃料を再処理する理由は核武装しか残っていません。ただし発電所から再処理で集めたプルトニウムは不純物が多すぎて爆弾には向かないので、核武装も技術的には不可能です。こうした時代遅れの計画はさっさと中止すべきで、14兆円の半分でも海上風力発電や太陽光発電に回していれば、今ごろは核エネルギーを一切使わない日本になっていたことでしょう。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/112926

2024年02月08日追記
使用済み核燃料プールが関電の原発で一杯になり、別の方法で保管する必要がでてきました。

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