2023年8月16日水曜日

育休と人員

筆者の経験からすると、アメリカは日本よりワーク・ライフ・バランスを取りやすい仕事環境です。年収ベースで働くサラリーマンの場合、仕事のペースを自分で決められるので、休暇や育休に入る前にペースを上げる事で長く休む事ができます。その間に自分の代わりを務める人はいない、という場合すらあります。もちろんすべての人がそういう余裕を持てる訳ではありません。でも就職する前にどのくらい忙しい仕事かはジョブ・ディスクリプションに書いてあるので、面接を通じてどのようなペースで働く仕事かは分かります。出張が30%とか、2ヵ月に一度、1週間のオン・コールがあるとかは書いてあります。また独身者は収入を求めて長時間働くのに対して、家族持ちはそこまで忙しい仕事は選びません。家庭を顧みないという理由で離婚されると膨大な慰謝料と養育費を払う必要があり、収入が多くても割に合いません。女性の育休は半年と長いので、代わりに派遣労働者を雇うのも普通です。1ヵ月程度の育休なら、仕事が停滞しても文句は言われません。それは育休が労働者の権利であり、前もって上司は育休計画を知っているからで、同僚にしわ寄せが行く事はありません。育休期間の仕事は遅れるのが普通で、「担当者がいない」のは遅れの立派な理由となります。上司の仕事は部下の仕事配分を含み、普段から突発事象に備えてゆとりを持たせています。仕事のスケジュールを立てる時に、どれだけゆとりを持たせるかは上司の能力のひとつです。スタートアップや特別なプロジェクトでない限り、ワーク・ライフ・バランスが悪い仕事からは部下がどんどん辞めていきます。これは人を採りやすく辞めやすいというジョブ型雇用の利点です。

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