2025年3月8日土曜日

知能の定義

この本[^1]の主張のひとつは「知能とは現実世界のシミュレーション」です。この点は筆者も同意します。学習と経験から人は脳の中に現実世界のモデルを持ち、そのモデルに基づいて行動します。脳の中に現実世界のモデルがあれば、それを使って未来を想像できます。モデルの中に自己矛盾がないかどうかも自分で判断できます。その点からみると、現時点での生成AIは現実世界のモデルを持っているとは言えず、自己矛盾する出力を生成する欠点があります。つまりハルシネーションです。そこでこうしたAIには知能はないと断言できます。人間の生成物を学習して、人間のフリをするのが上手なだけの機械です。もちろん、それでも役に立つ分野はあるので、限界を知って使う分には問題ありません。

2025年3月7日金曜日

壊れた米国

このような報道[^1]を目にすると、米国は壊れつつあると判断します。そもそも機密情報のクリアランスを持たない人間やAIに、FBIの職員が自分の仕事上の行為を報告するのは違法です。そうした行為を求めるのも違法です。トランプとマスクはどこまで法律から逸脱できるかを試しており、筆者は米国国民がどれだけこの手の違法行為を許すのかに注目しています。その一方で米国物価は上がり続けており、国民の不満がトランプの支持率低下に表れています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN243NR0U5A220C2000000/

2025年3月6日木曜日

消費年齢層

この記事[^1]は若者が知らないブランドの例としてパナソニックを取り上げ、日本企業が若者に売り込まないと先がないと警鐘を鳴らしています。パナソニックは利益優先のためBtoBの会社に変身したので、若者が買う商品は自転車ぐらいしかありません。化粧品や家電において韓国と中国のブランドが若者に浸透しています。国内では若者が少数派のため、ターゲットになりにくいのは確かです。でも海外の市場では若者は多数派です。自動車産業は以前からすべての世代をターゲットにしており、国内だけを見ていると衰退します。企業としてブランド毎にどの年齢層をターゲットにするかは大切な決断です。それにより広告の出し方や価格帯も変わります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC22AX00S5A120C2000000/

2025年3月5日水曜日

財布はひとつ再び

こういう記事[^1]を見ると情けない気分になります。筆者は高校無償化ではなく高校の義務教育化を推進します。でもいずれにせよ教育費は税金から払うことになります。国の財布はひとつしかなく、国が払うというのは国民が税金で払うというのと同じです。電気やガスの補助金も同様です。ただし国債を増やして借金すれば、今の国民がお金を使って、その借金返済を次世代の国民に回すことができます。でも少子化の日本でこれは自殺行為です。利息が付いたより多くのお金をより少ない人数で返さねばなりません。つまり将来の増税は必至です。それなのに、自分さえ良ければという人が後を絶ちません。

^1: https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202503040000175.html

2025年3月1日土曜日

日本はクレイジー

これ[^1]は日本に特有の文化です。「常識」に反する事をやると、その本人ではなく所属する会社にクレームを入れるという文化です。そこには「本人とは争いたくない」けど「会社なら文句を言っても安全」という考えがあります。でもその逆の「人は人、会社は会社」という考え方の方が世界では主流です。日本はメンバーシップ型雇用なので、「人と会社」はひとつのものとして扱います。会社は従業員の私生活まで支配しているわけではないのに、その区別がありません。こうした「余裕のない世間」が少子化の原因だと考えるのは筆者だけでしょうか。子供は「人さまに迷惑をかける」存在なので、「人さまに迷惑をかける」ことを避けたら、少子化が進みます。筆者は「お互い様」という考え方の方が健全だと思います。

^1: https://trilltrill.jp/articles/3959141