令和の米騒動は農政問題です。コメ農家[^1]からすればコメの価格は高いほど良く、農家を代表するJAがコメ価格を下げるはずはありません。ただし、5kgで3000円という小売り価格は輸入米の値段に等しく、外食産業を中心にコメを国内産から外国産に切り替える動きが始まっています。たとえばアメリカのコシヒカリは日本のコメと同じ味であり、関税と輸送費をかけても十分価格競争力があります。日本のコメがなぜコストが高いかと言えば、小規模農家や兼業農家が多いからです。コメは農機具に固定費がかかるので、小規模ではコスト割れです。その意味でコメ農家が減るのは好都合です。規模を拡大するには、他人の農地を低コストで集める必要があります。高齢化する農家が離農する今は、農業を大規模化するチャンスでもあります。日本のコメは国際価格の倍以上なので、消費を上回る量は簡単に輸出できません。
同日追記
農家減少による農業の大規模化は、同時にコメの自給率低下に繋がります。コメだけ自給できても、コメを炊く燃料(電気)や輸送が必要なので、2035年にはコメの聖域化が終わるという予想です。エネルギーの自給やタンパク質の自給も考えなくてはなりません。もっと海を利用しましょう。
農林省の減反補助金は廃止すべきです。コメ農家のコストを考えて5kgで3000円の小売価格を最低ラインとするなら、そこを上回る現状の4000円に対して消費者にも言い分があります。夏の選挙において論点のひとつとすべきです。
2025年04月01日追記
時給10円という数字はともかく、農業の将来を考えると適正な利潤は必要で、そこに満たない場合にどうするかは政治判断です。小規模農家はコスト割れでも、親戚や自分が食べる米は作ります。兼業も可能です。経済性からすれば大規模農家を増やすべきで、すると票田が減る自民党は無策を決め込んでいます。
2025年04月02日追記
コメの生産コストに言及しない記事には説得力がありません。コストを下げるために生産規模を拡大すれば農家の数は減ります。食料安全保障とコメの小売り価格、農家への補助金のバランスをどう取るかが問題です。筆者はカリフォルニア産コシヒカリの輸入を希望します。
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