2026年10月30日金曜日

幸せな袋小路

日本経済は袋小路に入っています。2%のインフレ[^1]を達成し、短期利率は1.25%と低く、円相場も円安だけど想定の範囲内で、消費税減税もやりそうだし、貿易は赤字でも経常収支は黒字です。実質賃金は一応プラスで、株価もアベノミクス以前と比べれば雲泥の差です。赤字国債が積み上がっているので円安は続き、輸出企業は売り上げ増でも庶民は物価高を感じています。この状況は日本にとって幸せです。デモや暴動はないし、医療費は安いし、人手不足で仕事は十分あります。筆者はこれを「幸せな袋小路」と呼んでいます。もし長期国債の利率が上がると利払い費が増加して赤字国債が増えるので、日銀はあまり金利を上げるつもりはありません。イラン戦争でエネルギーコストが上がったのは予想外でも、補助金で国民の痛みを和らげたので大きな問題にはなっていません。この幸せな状況がいつまで続くかというと、円安が抑えられている限りとなります。実力以上の財政支出をしてきた日本政府は、いわば将来世代を犠牲にして今の世代に幸せを提供してきました。対処療法を続けてバラ色の未来を見せないと政権は維持できません。労働人口が減り高齢者が増える日本にバラ色の未来などあり得ませんが、ほとんどの国民は10年後より明日の事が心配なので、ぬるま湯に留まる事を選びます。「幸せな袋小路」にいてアジアの平和が続く限り、日本はバラ色の未来を夢見つつ衰退していく運命です。地震で東京が大打撃を受ける事ぐらいが潜在的大問題です。

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