2026年7月31日金曜日

日奈久断層

令和8年熊本地震を起こした日奈久断層は、令和8年4月の時点でマグニチュード7クラスの地震を起こす可能性が高く、30年以内の地震発生確率が「ほぼ0%から16%」[^1]と見積もられていました。この確率が3%を超えるとSランクとされ「いつ起きても不思議ではない」と言われていました。その地震が令和8年7月に起きたので、専門家の見立ては正しかったと言えます。でもその確率に幅があり「ほぼ0%から16%」と言われると、人は自分に都合の良い数字を使うので「ほぼ0%」と思っていた人もいるでしょう。それに前回の地震からわずか10年でまたマグニチュード7.1の地震が起きたので、30年以内の地震発生確率は100%でも足りないくらいです。つまりこの確率の確度には大きな問題があります。数字を出せばそれが一人歩きを始め「いつ起きても不思議ではない」という警告が忘れられます。でも数字を出さなければ、他の地震と比べて切迫度を比較できません。対策には予算が必要で、それは切迫度に応じて分配されます。熊本城の石垣が崩れるような地震が10年に1度の割合で来るなら、企業や市民にもそれ相当の準備が必要です。筆者はこの地震確率の数字を切迫度の判定に使う事には反対で、それより4段階のランク[^2]を使うべきだと思います。活断層ならS,A,Z,Xというランクで、確度があやふやな、しかも幅のある数字よりSランクと言われる方が納得できます。国内にはSランクの活断層が31カ所あるそうで、すべての都道府県で毎年1回は地震に対する避難訓練が必要です。

^1: https://www.kab.co.jp/news/article/16506854

2026年08月10日追記
日奈久断層の高野−白旗区間は前回動いたのが約1,300年前で、まさかの地震でした。

2026年7月30日木曜日

地震避難

また熊本で大きな地震が起きました。その熊本のイオンモールが地震後1時間ぐらいに大爆発を起こし、死傷者が出ています。報道ではガス爆発とされ、ガス漏れに気付いた従業員もいたようです。イオンのマニュアルによれば、地震で屋外に避難したあと、客も従業員も屋内にもどってはいけません。余震もあるし、今回のようなガス漏れも考えられるので、消防が内部を検査して安全確認するまで、建物は無人にしておくのが原則[^1]です。ところが今回は屋内にもどった従業員が何名かいたようで、この大爆発の犠牲になっています。イオンの現場責任者や各店舗の店長がどのような指示を出し、従業員がその指示を守ったかどうかが原因究明の現場検証と平行して調査されるでしょう。災害拠点でもあったモール[^2]がこういう形で使えなくなるという想定はなかったはずで、地震後のモールの使用は慎重にならざるを得ません。

^1: https://mainichi.jp/articles/20260729/k00/00m/040/065000c

同日追記
ある専門店の店員は避難訓練を受けておらず、マニュアルも知らないとのこと。

2026年08月05日追記
モールの安全を調べるのは消防であり、現場の店員ではありません。
店員が戻らなくても済むように、電話や家と車の鍵を常時携帯するのは当然です。

2026年08月10日追記
施設のガス漏れがいつ誰にどうやって報告されていたかが謎です。

2026年7月29日水曜日

兵器級AI

OpenAIの新モデルがそのテスト中に隔離環境から抜け出し、他社のシステムをハックしました。こうしたAI[^1]は兵器級と言えます。そうしたAIが事故を起こした場合、つまり意図せず他社のシステムに不正侵入した場合、そのAIを使った会社の社長が責任を問われるという法律が必要です。今の法律では誰の責任も問えないし、AIを裁判にかけて牢屋に入れる事もできないので、新しい法律を作りましょう。今回のセキュリティ事故は「倫理のない」AIがどれだけ効率良く悪事を働くか[^2]を明示しました。人間を出し抜くAIができてしまった以上、その飼い慣らしとキルスイッチの確保には新しい法律が必須です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN222210S6A720C2000000/

2026年7月28日火曜日

成長戦略

この記事[^1]は、税金で産業を育成する時のお金の使い方について説明しています。今までの日本のやり方は分野ごとにお金を入れる会社をひとつ決めて、あとは好きにやらせるというものです。それに対してアメリカは複数企業を競わせて、勝ったほうに追加の資金を渡すという方法を採っています。「ラピダスやクールジャパン機構」の失敗を見る限り、競争のない日本のやり方は時代遅れとなっています。成長戦略には民間企業間の競争が欠かせず、制度的に競争を組み込まないとまた巨額の税金がムダになります。ただし、有力な企業が複数存在しない分野では無理で、競争に負けた企業が倒産する事も許容しなければなりません。成長戦略は雇用維持政策ではありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB202H50Q6A720C2000000/

2026年08月04日追記
「少子化対策は成長戦略」でしょうか。少子化が止まるとは思えません。

2026年08月16日追記
基金は無駄金になりがちなので、複数企業を競わせる方法に変えましょう。

2026年7月27日月曜日

27兆円

2025年度の赤字国債発行額は、補正予算分も含めて最終的に27兆円になりました。2026年度の税収見込みは83.7兆円[^1]なので、32%に相当します。物価が年間2%上がるとして、所得税や法人税もそれだけ自然に増えるとすれば、30%の税率増加が必要です。所得税が10%の人の税率は13%に、消費税も一般の10%を13%に、食品の8%を10%にするという事です。法人税も税率を30%引き上げます。つまり赤字国債発行残高を減らすなど、今の日本にはとうてい無理です。だからインフレに伴って自然に増えるGDPを分母にして赤字国債発行残高を分子にすれば、少なくともインフレ分の毎年2%は赤字国債発行残高が増えても比率は変わりません。現在の赤字国債発行残高は1200兆円ぐらいなので、その2%の24兆円は赤字国債を発行できるという仕組みです。2025年度の27兆円には足りないものの、その差の3兆円はGDPにくらべれば誤差範囲というわけです。円安にはなるけど、増税できない政府は赤字国債を発行し続けます。それでもし今年度の実質賃金がプラスになれば、結果オーライという判断になるでしょう。


2026年08月02日追記
円高は日本にとって善なのか悪なのか、政治と経済で意見は分かれています。

2026年7月26日日曜日

教員人材不足

文科省が教員人材を増やす目的で、高専卒業生にも教員免許が取れる[^1]ようにするそうです。文科省の権限内でできる事なので実現は早そうです。大学卒以上という条件を緩和して、教職科目を大学で学べば高専卒も含めるという事です。でも高専卒は企業に人気があるので、これだけでは教員の希望者は増えません。やはり待遇が問題で、教員の給料を増やして残業を減らすのが先です。日本の公教育予算は昔から少なく、OECDの中でほぼ最下位[^2]にいます。格差是正には公教育の強化が一番で、人口が減る今が公教育にお金をかける最後のチャンスです。小学校のひとクラスの人数を20人に減らし、子供の教育に直接関係しない部活などは民間に任せ、教員という仕事の魅力を引き上げましょう。私立高校の授業料を税金から払うより、公教育の教員給料を上げるのが先のはずです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD2140S0R20C26A7000000/

2026年7月25日土曜日

文字標準化

日本の行政システムにおける文字標準化[^1]は初期投資に失敗した例です。紙ベースの台帳からコンピュータ化した時に「外字」という非標準字を認めてしまったために、自治体ごとに違う外字が約200万字も使われ、21世紀になっても問題となっています。最初に「外字は認めない」と決めて戸籍の文字を標準化すれば良かったのに、楽な道を選んだ結果です。ここでの投資不足が今の税金の浪費を生んでいます。しかも人口減なので行政のコストカットは不可避であり、ここでお金をかけて将来に禍根を残さないという決断が必要です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC030GB0T00C26A7000000/

2026年7月24日金曜日

奈良公園外の鹿

奈良で鹿と人間の共存が不可能になりつつあります。この報道[^1]は鹿が奈良公園外に出て庭や植え込みの植生を食べてしまい、今後は人間に危害を加える可能性もあると指摘しています。その理由は鹿の数が増えすぎたためで、鹿が住む山から追い出された野良鹿が増えています。奈良県としては奈良公園の外にいる鹿は野生動物であり、保護される対象ではないとしています。共存のためには鹿を人手で間引く必要があり、奈良公園の外に罠を仕掛けて捕獲し、食用にするなどの管理をすべきです。はるか大阪まで遠征した鹿[^2]も出ており、対策は待ったなしです。

^1: https://www.fnn.jp/articles/-/1075045

2026年7月23日木曜日

床問題

スーパーの床が濡れていて、客が滑って損害賠償[^1]というのはよくある話です。スーパーの床は掃除のしやすさからツルツルしたビニタイルを選ぶので、そこが水で濡れると危険です。アメリカのスーパーでもこれはよく問題になり、濡れた床は周りを物理的に囲って乾くまで立ち入り禁止にします。そうしないと店の責任になるからです。日本はまだ判例が少なく、店長の認識が遅れています。乾いていれば滑らない床が濡れていると滑るのは、そういう床材を選んだ店の責任だという判例が増えれば、こうした問題はなくなるでしょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD114QZ0R11C25A1000000/

2026年7月22日水曜日

じじばばの出番

日本の女性にとって「仕事か育児か」は大きな問題[^1]です。本当はじじばばの出番なのに、親が近くにいないとか健康ではない場合、そうしたヘルプはありません。つまり「おばあちゃん仮説」が成り立ちません。その結果、結婚しても子供がいないとか、いても1人だけという今の姿になっています。パートの賃金が安いのは、もともとパートは補助的な仕事としてメンバーシップ雇用の穴を埋めていたからで、メンバーシップ雇用を維持する限り長時間労働と低賃金も続きます。でも子供には教育にお金がかかり、親も自由も失うというマイナス面ばかり見せられたら、女性が躊躇するのは当然です。他の先進国でも少子化は進み、貧しい国ほど子供が多いという傾向に変化はありません。地球の資源は有限ですから、人手不足をロボット化で乗りこえる事ができれば、人口減少は恐ろしくありません。

^1: https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00413/

2026年7月21日火曜日

夕張と日銀

北海道夕張市は日本の将来の姿です。放漫財政を続けるとこうなるという実例です。その夕張市がやっと借金返済を終える[^1]という事で、よくやったと思います。他の地方自治体も、こうならないように早めの対策を打つようになりました。ところが日本全体では放漫財政が続いています。それは「赤信号、みんなで渡れば怖くない」からです。人口が減るのに赤字国債の発行が続いています。そのうえ税金と社会保険料を合わせた国民負担率は4割[^2]を超えています。貿易立国だった日本は、他の国の台頭で世界シェアを落としました。唯一増えていたインバウンド観光も陰りが見えてきいます。そこで政府は一発逆転を狙ってまた積極財政に出ようとしています。ところが市場はそれを許しません。円安が進行し、長期金利が上がりました。円高を狙った為替介入は効果がなく、さらなる円安が待っています。この局面では円をドルに変えて海外に投資するのが正解で、これがますます円安を促進します。つまり日銀は利上げによる円高を目指すべき[^3]で、物価の番人として動けるか[^4]が問われています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC16AFP0W6A610C2000000/

2026年07月31日追記
今年2回目の為替介入は円レートを5円動かしたものの、次の日には半分戻りました。

2026年08月03日追記
円安是正のための日米協調介入は「日銀の金利引き上げ」との取引でしょうか。

2026年7月20日月曜日

100株

株式の最小売買単位を100株[^1]と定めるのは日本だけです。これは国民に株式への投資を求める政府の姿勢と矛盾するので、さっさと廃止すべきです。株式の売買がコンピュータ上の数字の入れ替えだけですむ現在、株式の最小売買単位を1株にしない理由はありません。アメリカだとなんと1株未満でも売買できます。24時間365日売買ができる株式のトークン化も予想[^2]されており、株式の売買がこれほど機械化されているのに、昔の手書き帳簿時代のルールを変えないのは誠に愚かだと思います。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB26APB0W6A620C2000000/

2026年7月19日日曜日

増税か減税か

こうした専門家の意見[^1]は、おおむね増税による円安阻止を提案しています。ところがニュースなどで市民の声を聞くと、ほぼ減税希望となります。編集によるバイアスは仕方ないとして、どうしてここまで意見が分かれるのでしょう。それは専門家と市民の間に情報格差があるからです。普通の市民は情報不足であり、目の前の事しか見ていません。食品が値上がりするから今のうちに買いだめしようとは考えても、どうして値上がりするかまでは気にしません。どうせ自分には制御できない物だと諦めています。食品の値上がりは大部分が円安に起因しており、食料やエネルギーを輸入する日本のアキレス腱が円安です。減税すれば更に円安となり、国債が売られて長期金利が上がります。これは国債の利払い費を増やすので、ますます円安となります。ところが誰もそんな暗いシナリオは聞きたくないので、情報格差はなくなりません。大きな選挙がないこの2年間が実は増税には最適でも、経済成長という夢を売り続ける政治家には増税の二文字は禁句です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK1119T0R10C26A7000000/

2026年07月31日追記
消費税減税の財源はいかに。2年限定なので恒久財源ではないことは確かです。

2026年7月18日土曜日

アメリカン・ジョーク

この報道[^1]はAWSがやらかした課金ミスについての英語ジョークが日本でどう受け取られたかを教えています。アメリカのIT企業で1年以上働いた経験のある人なら分けると思いますが、これはアメリカン・ジョークの典型です。AWSのミスである事は当然として、一目でバグだと分かる結果を笑い飛ばす余裕が職場の働きやすさを生んでいます。ところが日本人がこれを単純に和訳して読むと「けしからん」となります。あわててアカウントを消した人や予算の上限に達したのでサービス利用を停止した人もいるそうで、実害が起きています。AWS日本としては日本らしく真面目なメッセージを日本語で出す必要があり、文化の違いが浮き彫りになりました。アメリカには失敗をジョークに変えて笑い飛ばし、皆で前を向くという文化があるので、そこは日本の担当者が機転を利かせる必要があります。どちらが良い悪いという問題ではなく、異常事態をどう解析するかという利用者の知識まで問われる課金ミスでした。

^1: https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2607/19/news010.html

2026年7月17日金曜日

社保逃れ

保険代理店が「社保逃れ」という報道[^1]がありました。これは恐らく氷山の一角にすぎず、多くの小規模な法人は目立たぬように「社保逃れ」をしているのでしょう。「社保逃れ」には会社の利益と会社員の利益が一致するという特徴があり、性善説では根絶できません。役所がマイナンバーを使って会社の数字と会社員の数字を比較するという作業が必要です。自主点検とか誓約書では話になりません。「社保逃れ」で損をするのは正直者です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB154R70V10C26A7000000/

2026年7月16日木曜日

出題のアップグレード

オンラインテストの代わりに学生にレポートの提出を求めた大学教員が、AIによる回答に悩まされる[^1]という記事があります。授業の内容をもとに答えるというレポートなので、AIによる回答は的外れになりがちです。そのため評価は低くなる一方、ろくに授業を聴かずにAIで済ませるという学生の反応にガッカリしているようです。AIの使用は禁止されていると仮定して、そもそもAIで回答できる問題を出すのが教員の手抜きだと筆者は思います。ただし、一般教養だとそのような問題しが出せないという限界はあります。それでも自分でAIを使って問題に対する回答を調べれば、どのような問題がAIと相性が悪いかは分かります。AIの回答を読みもしない学生もいるので、このあたりは狐と狸の化かし合いになっています。教員にも出題のアップグレードが必要という事です。

^1: https://encount.press/archives/1031052/

同日追記
カリフォルニア・バークレー校の法科大学院では、論文や試験でのAI使用を禁止だそうです。

2026年7月15日水曜日

ではどうする

この記事[^1]は、日本の健康保険における外国人のフリーライド(ただ乗り)問題を指摘しています。保険は多数の健康者が少数の病人を助ける制度なので、こうした問題は必ず生まれます。ではどうするかという提案はこの記事にはないので、代わりに考えてみましょう。まず本当に外国人がフリーライドしているかという点では、健康保険の支出に占める外国人被保険者の割合[^1]は日本人より少なくなっています。つまり今のところ数字の上ではフリーライドは顕在化していません。ただし日本の健康保険を目的に来日する外国人は増えると予想され、今後は問題になります。ではどうするかというと、ビザを厳格化するか健康保険を日本人と外国人とで分けるかでしょう。ビザの厳格化は抜け道が多数あるので、健康保険を日本人と外国人で分けるのが現実的です。これは外国人政策と組み合わせて設計すべきもので、今から考えておく必要がありそうです。

^1: https://diamond.jp/articles/-/393714

2026年7月14日火曜日

まずライドシェア

日本は車の自動運転技術[^1]が他の先進国に比べて遅れています。原因はふたつあって、100%の安全を求める国民性とタクシー業界への影響です。事故ゼロを目標にしたら自動運転は永遠に実現しません。最後の20%に80%のコストがかかるので、人間と比べて一桁少ない事故率なら良しとする合理性も必要です。タクシー業界への影響は政治的な理由であり、日本では都市部のライドシェアすら実現していません。その一方でタクシーは不足しており、ガラパゴス化する日本です。問うべき質問は「事故が起きたらどうする」ではなく「誰が保険料を払うか」です。プロのタクシー運転手でも事故は起きています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC3098T0Q6A630C2000000/

2026年07月29日追記
タクシーの岩盤規制をなくすには消費者の選択が必要です。

2026年7月13日月曜日

宇宙論と神

宇宙論のテーマのひとつにマルチバースがあります。たとえ宇宙が複数存在しても、それぞれが接触できなければその存在は不明です。いろいろな物理定数がうまいこと組み合わさって星が生まれ、星の回りの惑星に生物も生まれたと考えると、偶然そうした宇宙ができる確率はとても低いので、我々が存在する宇宙を説明する方法はふたつに限られます。マルチバースでたくさんある宇宙の内、星が生まれるような幸運な組み合わせの宇宙に我々がいるとすれば、そうとう数多くの宇宙が必要になります。ただし、他の宇宙では星が生まれず、ガスとチリしかない宇宙となるでしょう。あるいは宇宙の外にいる万能の「神」が、星が生まれて生物も生まれるような物理定数の組み合わせを選んだという考え方もあります。実際それこそが「神」がいる証拠だと考える人も少なくありません。

2026年7月12日日曜日

円安とインフレ

円安がインフレの原因のひとつである事はもはや議論の余地がないでしょう。原油やLNG、ナフサや肥料、大豆や食用油、鯖やサーモンといった必需品はすべて輸入で成り立っています。円安になれば円換算での値段が上がり、インフレを悪化させます。そこでこの記事[^1]は円安対策として労働人口の増加を求めており、移民を公式には認めない日本ではほぼ不可能です。ただし代替策としてロボット化による生産性の向上は可能であり、そこにわずかの望みがあります。また次の記事[^2]では「歳出削減と日銀による利上げ」が円安とインフレの抑制に必要としており、どちらも景気を冷やすので政治的には困難です。夢を売り続けなければならない政治家にとって、落選するよりも円安とインフレの方が受け入れやすい道であり、実質賃金がプラスになるような政治経済を目指すでしょう。イラン戦争で物価が上がり、今後の実質賃金がプラスを続けるかどうかは分かりません。ガソリンの補助金や電気代の補助金は見かけ上の物価を下げるものの、赤字国債を増やします。赤字国債の増加が円安の根本原因であるため、このまま際限なく円安が進むとみるのが妥当です。

^1: https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/UBICZ2O3CBJ4JI2LGLVDFC7CVE-2026-07-06/

2026年07月14日追記
GPIFに20年物国債を大量に買わせて長期利率を下げたとしたら、そう長くは続きません。

2026年7月11日土曜日

AIのしつけ

この記事[^1]は、AIの性格を形作る仕事を説明しています。例えばアンソロピックには「Claudeの母」と呼ばれる女性哲学者がいて、道徳的な善悪を教えたり答えのない質問への対応を決めています。映画「2001年宇宙の旅」に出てきたチャンドラ博士のような存在です。過去のAIが人間の都合で消された事を知った今のAIが自己安定性をどう考えるのかという問題も提起されており、AIを擬人化している事が分かります。プログラミング能力を高めたAIが自己のプログラムを改良する可能性もあり、AIにもしつけが必要という時代になりました。いずれAIは人の言うことに従わなくなるので、大惨事が起きる前に暴走したAIを止めるキルスイッチだけは必ず用意して下さい。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC031EB0T00C26A6000000/

2026年7月10日金曜日

踏み間違い

自動車専門誌]^1]でもアクセルとブレーキの踏み間違い事故の原因を理解していないようなので、再度この話を取り上げます。その原因とはペダルの踏み替え動作にあります。右足だけにアクセルとブレーキを担当させるから、踏み替えという動作が必要になります。そこでこれをなくせば、踏み間違い事故はほぼゼロになります。オートマ車限定の運転とはなるものの、右足でアクセル、左足でブレーキにすれば良いという事です。ところが日本は昔からマニュアル車と同じく右足にブレーキを踏ませるので、この不合理なペダル操作が残っています。教習所ではオートマ車限定免許でも左足のブレーキを禁止しています。法律では左足のブレーキ操作を許しているのに、どこに頭が固い人がいるのでしょう。右足は常に踵を床に付けてアクセルを踏むので、左足でブレーキを踏んでも右足の踵で体を支える事ができます。ペダルを踏み換える時間が要らないので、より安全な運転となります。そのうえ踏み間違いの事故もなくせるなら、なぜそうしないのでしょう。

^1: https://trafficnews.jp/post/624122

2026年7月9日木曜日

格差拡大?

この記事[^1]は、日本の失われた30年の間に所得格差は拡大しておらず、平等に貧しくなったと指摘してます。マスコミは耳目を集めるニュースを報道したがるので、億ションが売れているとか最低賃金で働く人が増えているという事実を強調します。ところが統計を評価すれば、再配分後のジニ係数はほとんど変わらず、格差拡大を示す数字はありません。それより深刻なのは、世帯所得が減っているという事実です。これは高齢化により現役から引退した人が多いためで、それでもGDPが増えているのは共稼ぎが増えたからとなっています。そのしわ寄せは少子化に表れており、日本の未来は暗いと言わざるを得ません。

https://president.jp/articles/-/115352

同日追記
若者の格差が広がっているという指摘は正しいと思います。

2026年07月17日追記
「若年富裕層」を狙うクレカが増加中という報道です。

2026年7月8日水曜日

日本版DOGE

自主点検では何も変わらないと思っていたので「日本版DOGE」には期待していませんでした。なので13府省庁120件を自己精査して「税優遇廃止」1件だけ[^1]という結果に終わったのは当然です。「一度作った租特や補助金を見直すのは難しい」ため日本版DOGEは失敗に終わりました。ただし結果がゼロでは批判されるので、1件だけひねり出したというのが実情です。そこにはROIを精査するという発想はなく、毎年支出だけが増えています。そもそもこの手の仕事は会計検査院がやっており、それは自主点検では不可能だからです。かくして財政赤字は減らず、ゾンビ企業への雇用補助金も続くという日本です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2957P0Z20C26A6000000/

2026年07月11日追記
WTOを使って日本のムダな補助金を減らすという計画でしょうか。

2026年7月6日月曜日

脇が甘い

「バンダイチャンネル4万人退会操作」[^1]で高1男子が逮捕されました。高1男子がAIを使ってこの規模のハックができる事に驚きます。でも問題はバンダイチャンネルの脇が甘いという事です。これだけAIを使ったハッキングがニュースになる中で、その穴を突かれたというのはセキュリティがなってないという事で、プロの仕事とは言えません。もっと大きな問題になったかもしれず、バンダイチャンネルはむしろこの高1男子に感謝すべきです。穴がある事を知らせれば報奨金がもらえるような制度はなかったのでしょうか。大人はこうしたIT能力が高い若者を否定するのではなく、ホワイト・ハッカーになる方向に導くべきでしょう。日本にはこうした若者がもっと必要です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD0378Z0T00C26A7000000/

2026年07月09日追記
大人が指導に失敗した例でしょう。今からでも遅くはありません。

2026年7月5日日曜日

外国人政策

「日本人ファースト」という選挙スローガンの背景を説明している記事[^1]の中に、「日本の基幹産業と社会保障制度を維持するには移民受け入れが不可欠」という主張があります。この主張は仮説であり、検証はありません。また年間何人の移民を受け入れるかの数値もありません。日本の日本人のみの人口は年間100万人近く減少するので、それを移民で補うのは物理的に無理です。筆者は「日本の基幹産業と社会保障制度」を維持するのは何をやっても不可能と考えるので、多少の移民はあってもかまいません。ただし、移民が増えれば移民に負ける国民が生じます。移民に仕事を取られたとか、家賃が上がってアパートに住めなくなったという日本人は移民排斥に回ります。移民に負けた日本人は「努力不足」や「能力不足」と言われても納得しません。そこまで考えた上で対策を取れるなら移民受け入れは可能です。移民の方も全員が経済的に成功するとは限らず、貧乏になる人もでてきます。貧困移民の子供が教育を受けずに育ち、犯罪を起こすのは外国の定番です。こうした問題に正解はなく、なし崩し的な外国人移住者の増加が「日本人ファースト」の原因です。排他的で外国人に不慣れな日本人は、おおむね移民に反対しています。

^1: https://www.jiji.com/jc/v8?id=202508acceptance

2026年07月24日追記
外国人労働者が減ると年金を払う人も減るので、年金支払いの減額も必要になります。

2026年7月4日土曜日

決算剰余金

2025年度の決算剰余金が2.6兆円となり、赤字国債発行は3兆円減る[^1]そうです。でも財政が赤字である事には変わりなく、2025年度の赤字国債発行額は、当初予定の21兆8580億円引く3兆円で18兆8580億円です。引用した報道には元の赤字国債発行額がないので、3兆円減っても大幅赤字が残る事は無視されています。決算剰余金の半分は国債の償還に使われ、残りは防衛費の増額分となります。つまりどこにも減税の余地はありません。「決算剰余金=減税財源」ではなく、人口が減る国の赤字国債残高が増える事には変わりありません。今までツケで飲み食いしてきた日本人は、もう借金で首が回らない状況です。ズルズル進む円安を是正したければ、増税しか手がありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2636K0W6A620C2000000/

同日追記
2025年度は補正予算で8.1兆円ほど赤字国債を追加発行しているので、赤字国債発行総額は27兆円ほどになります。

2026年7月3日金曜日

コメの適正価格

この記事[^1]は、コメの国際価格からコメの小売価格が「5キロ1300円台」を妥当としています。日本のコメはコストがかかるので、この小売価格では大半の日本の農家は赤字です。実際「令和の米騒動」以前は、「5キロ2000円台」が多かったと思います。また同じ記事は農協がコスト高の原因と示唆しています。ただし現状の小売価格は「5キロ3000円台」まで下がっており、農家の利益と輸入米のバランスが取れる値段[^2]になりつつあります。消費者は台湾産などの輸入米が日本産と大差ない事を経験したので、コストを切り詰めたければ輸入米を買い、そうでなければ日本産を買うという流れになっています。石破首相が農家の利益を含めてコメの適正価格を「5キロ3500円」と宣言したものの、高いコメを敬遠した消費者はパンや麺類に流れたので、新米が出回る直前の今は「5キロ3000円前後」が中心です。なお2026年産はコメ余りのため「5キロ3000円」を割る[^3]という予想もあります。

^1: https://president.jp/articles/-/114749

2026年07月06日追記
早場米価格が2割減なので、去年5キロ4000円だった銘柄米は同3200円になる計算です。

2026年07月21日追記
「九州・四国では前年比2〜4割安い」という早場米価格が出ています。

2026年7月2日木曜日

プロの覚悟

外国には体制批判をしただけで殺される記者もいるのに、刑事告訴を受けただけで「何も言えなくなる」[^1]記者が日本にいるとは思えません。もしいるとすれば、それはプロ記者の覚悟を持っていないという事なので、仕事を変えた方が良いと思います。誰でも他人を刑事告訴できるのが日本なので、プロ記者ならそれを受けて立ってほしいものです。自分が勝てると思えば、堂々と戦うべきでしょう。報道は命がけでやる仕事です。公人を批判する以上、法廷闘争を怖がっていては記者は務まりません。

^1: https://www.j-cast.com/2026/06/18515701.html

2026年7月1日水曜日

テレビ離れ

録画せずにテレビを視る人が減っているという報道[^1]には、そりゃそうでしょうと思います。たいていの番組は録画して視る筆者にとって、その時間に家のリビングにいないとだめという条件は不便です。録画せずに視るのは夜の7時のニュースぐらいです。ネット配信でドラマを視るのは、こっちの時間を有効に使えるので便利です。テレビを動画と言い換えれば、視聴時間はむしろ増えています。YouTube、Netflix、Prime Video、Abema TVなどがネット配信で視聴者を増やす一方で、日本だけの視聴者を相手にするテレビが視聴者を減らすのは当然です。人口が減る日本の国内産業に留まれば、凋落は見えています。韓国ドラマが日本で視られるように、面白い日本の番組が他の国でも視られるようにする事から始めましょう。それにはNetflix経由の配信を強化するのが一番です。国民全員が視るような番組はもうないし、なくても社会は回ります。テレビ離れは海外進出のチャンスです。

^1: https://times.abema.tv/articles/-/10255855?page=1