2009年10月12日月曜日

会社と人の関係

アメリカでは会社と従業員は対等という建前ですので、会社はいつでも人を首にできるし、人はいつでも会社を辞められます。辞めるときに引継ぎというものはまずやりません。レイオフは、言われたらその足で会社を去らねばなりませんし、一応辞任には2週間前に上司に知らせるという会社の規則があっても、その2週間で有給消化する人が多いです。残った有給は会社が買い取らなければなりませんので、有給消化は会社にとってもいい事だとされています。このような状況ですから、会社と従業員との関係はかなりドライです。会社が自分にとって働きやすい場所であればとどまるし、方針の変更などで働きにくい場所になれば、さっさと他の気に入った会社に移ってしまいます。ですから窓際族とか飼い殺しという贅沢は存在せず、かといって過労死なる問題もありません。死ぬほど働かせたら人はさっさと別の会社に移りますから、日本のような長時間労働はできません。共稼ぎの多い土地なので、離婚される恐怖から家族持ちはまず長時間労働はしません。以前はIBMやHPなどといった大会社でレイオフをするのはきわめて稀でした。人数を5%減らす代わりに全員の給料を5%カットするといった手法で不況を乗り越えて来ました。しかし1990年代になると株主がうるさくなり、ちょっと業績が下がると平気でレイオフする会社が増えました。そこでドライな気持ちの従業員に愛社精神を持たせるため、あちこちの会社で会社グッズが流行しました。会社名の入ったTシャツやトレーナー、スタジャンなどシリコンバレーでは誰でも最低2つ3つ持ってることでしょう。

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