リニアの心配
東海道本線の丹那トンネルには面白い逸話があります。1930年の北伊豆地震で断層が2メートル横ずれし、そこを通っていた水抜き抗が横に切断されたというものです。このためトンネルを堀り直して、まっすぐだったトンネルがこの断層の部分で少し曲がっています。またトンネルが帯水層を通過しているため、上の丹波盆地の水がトンネルに湧水としてあふれ出たという歴史もあります。リニア新幹線はほとんどがトンネルなので、あちらこちらで断層を貫くことになるでしょう。断層が動いてトンネルが損傷し、同時に地下水がトンネルに流れ込む事は十分あり得ます。地震で送電が止まっていれば、排水ポンプを動かす電源がありません。非常用のディーゼル発電機を使うにしても、その燃料はいずれ切れます。するとリニア新幹線は地中深くで水没し、乗客が閉じ込められます。いわば陸地の潜水艦事故です。普通のトンネルは山に掘るので中央が高く、両端のトンネル出口が低いので水は自然と出口に流れます。ところがリニア新幹線のトンネルは駅が地上部にあって、それ以外は低い地下にあります。いわば海底トンネルのような形になるので、その浸水事故は最大の脅威となります。
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