2024年2月18日日曜日

自己責任?

この記事[^1]には考えさせられました。日本で子育てが自己責任となっており、子供を持つことをためらう20代前半が多いというものです。まず18歳から25歳は精神的にも社会的にもまだ子供です。収入も十分でなく、親元に住む若者も多いでしょう。男性の筆者自身も子供が可愛いと思い始めたのは25歳からなので、20代前半で結婚したり子供を持つのは「できちゃった婚」以外はないと思います。その意味でこの記事が25歳以下を20代と表現するのは不正確です。ここはちゃんと20代前半と書くべきです。その一方で、若者が「子育てが自己責任」と考えている事に不安を感じます。現実の子育てはとても自己責任ではできません。夫婦2人でも子供が2人になると無理です。他の子育て夫婦と協力するとか、保育園を使うとか、親に子供の面倒を見てもらうなど周りの協力がないと無理です。ここで無理すると離婚となり母子家庭が誕生します。筆者と妻は2人の子供をアメリカで育てたので、親の協力は期待できず、有料の保育園を活用して、同じ学齢の子供がいるアメリカ人や日本人の夫婦と互いにベビーシッターをするという方法で子育てをしました。どこに行くにも車が必要な国なので、複数のカーシートを乗せるためにミニバンを買いました。アメリカと日本の最大の違いは「子育ては未来への投資」とみなされている事です。子供を保育園から引き取るために午後5時半で退社するのは当然で、たとえ5時から6時までミーティングがあっても、途中で抜けるのは本人の自由です。そもそもコアタイムでない午後5時にミーティングを入れるのが悪いという発想です。今の大人が将来もらう年金は今の子供が大人になった時に稼ぐので、自分の年金を稼いでくれる子供たちには高給取りになってしっかり稼いでもらう必要があります。日本の雇用制度は柔軟性がなく、子育て中の労働者が残業できない分を周りの労働者が補うという風潮があります。これは大間違いで、メンバーシップ型雇用の欠点です。アメリカはジョブ型雇用なので自分の労働量は自分で決められます。8時間分働いて自分で今日の分は終わったと判断したら、周りに気兼ねなくさっさと退社できます。求められるのは週に40時間分働く事なので、休んだり残業できない社員の分まで働く義務はありません。仕事は個人に割り当てられており、チームとして結果を出せるように仕事を配分するのはマネジャーの大事な仕事です。育休で人が減れば、コントラクタを雇って労働力の低下を補います。メンバーシップ型は専業主婦を前提としており、日本の現状には合いません。労働法を変えてジョブ型の雇用制度を中心に据えないと、日本の少子化はもっと悪化するでしょう。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/72e4f720645a3abf4c3f558ff5e800015e536e0f

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