2024年2月21日水曜日

賃上げの中身

日本で言う「賃上げ」とは正社員の定期昇給とベースアップの和です。定期昇給は年功序列を反映するもので、同じ人が同じ仕事を1年続けると(それだけ生産性が上がるだろうから)給料が上がるという仕組みで、多くても数パーセントです。これに対して、ベースアップとは文字通り初任給も含めて全体の給料を一律に上げる事で、もしここに賃上げを7%行うという企業があれば、2%の定期昇給と5%のベースアップというような組み合わせを出してきます。日本の消費者物価は年間3%ぐらい上昇しており、定期昇給をゼロとしても最低4%の賃上げをしないと実質賃金はプラスになりません。また労働者の4割を占める非正規労働者の賃上げも実質でプラスにしないと、正社員だけプラスにしても国全体としてプラスになりません。つまり正社員の「賃上げ」の数字だけを追っても日本の実態は分かりません。非正規には時給で働く人が多く、人手不足の日本でその時給が上がっています。これがインフレを上回るかどうかが今年の焦点です。

2024年03月04日追記
正社員だけ賃金が物価を上回るだけでは不十分で、非正規の大幅賃上げも必要です。

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