2024年7月26日金曜日

円安限界論

この記事[^1]は、円安が期待したほど日本の業績を伸ばさなかった事実を指摘しています。円レートが100円/$から150円/$まで50%も安くなったのに、輸出企業の売り上げは50%も伸びていません。輸出数量はむしろ過去15年間で減り続けており、輸入原料の値上げにより利益が引き下げられた形になっています。輸出品が値段を下げればより多く売れるという低価格の商品ではない事や、円高だった間に海外に工場を移した事などが理由です。また他の海外企業にくらべて商品の競争力が落ちているという問題もあります。昭和の家電、平成のカメラなど過去に日本を助けた輸出品はもはやなく、自動車や電子部品などが外貨を稼いでいます。そのかわりインバウンド観光と海外への投資が国際収支の黒字を維持しており、国債残高がGDPの2倍超でもこの程度の円安で済んでいるとも言えます。アベノミクスは不動産と株価を引き上げ、国債残高を大幅に増やしました。円安に頼らない筋肉質の経済になれるかどうかに日本の未来がかかっています。

^1: https://gendai.media/articles/-/134289

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