2023年10月4日水曜日

国債消化と金融緩和

日本の長期国債は主に日銀が所有しており、金融緩和という名目で財政ファイナンスが行われています。ではこれが続くと何が起きるでしょうか。国債は雪だるま式に増え、世の中に出回るお金の量も際限なく増えます。すると相対的に円の価値が下がるので、輸入インフレが続きます。ところが日本企業には内部留保があり、これがなくなるまで国内で大幅なインフレは起きません。失われた30年間に積み上げた内部留保は非正規労働で人件費を削った結果であり、人口減少の原因でもあります。もともと日本のデフレは少子高齢化が原因なので、これが解決しないかぎり国内的にはインフレにはなりません。コロナ後の日本がインフレになったのは輸入品の値上がりが原因で、特にエネルギーと食品が上昇しました。日本企業の内部留保がゼロになるには数年かかるので、この間はマイルドなインフレが続きます。もしこの猶予期間中に増税ができれば、これ以上の円安を止められるでしょう。もちろん増税は景気を冷やすので、インフレと円安のバランスを取りつつ少子高齢化に対処するには、さらに国債を増やす事になりそうです。こうして問題の先送りが続き、最後に誰がババをつかむのかというゲームが続きます。

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