2024年3月1日金曜日

少ないパイ

この記事[^1]は、60歳で再雇用された人の賃金を6割減とした事が法律違反に当たるかどうかを取り上げています。日本のメンバーシップ型雇用では、メンバーシップから外れる定年退職者はアルバイト扱いです。給与にあてるパイが限られており、人口減で縮小する市場を相手にする企業で、年功序列と終身雇用は難しくなっています。その中で若手の給与を上げたいという経営者の希望は当然であり、再雇用された人の賃金を6割減とするのは理解できます。「同一労働・同一賃金」は努力目標であって、年金や退職金をもらった人には減額も許されています。限られたパイを高齢者と若手にどう分配するかという問題です。年齢による差別を年功序列と終身雇用という形で容認する以上、60歳で再雇用された人がアルバイト扱いされるのも容認されます。この条件に不満なら他で働く自由があり、賃金を6割減とすることは不当労働行為ではありません。「同一労働・同一賃金」を徹底するには正社員制度を解体する必要があり、日本人にその勇気はありません。

^1: https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00009360X20C24A2000000/

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