死刑制度と終身刑
この報道[^1]は日本の死刑制度を取り上げています。日本には終身刑がなく、かわりに無期懲役があります。英国の指摘する死刑の問題点は「①死刑が人間の尊厳を奪うこと、②死刑が犯罪を抑止する決定的な証拠がない、③冤罪の場合は取り返しのつかない事態になる」という3点です。つまり死刑制度の目的は何かという議論です。筆者は死刑制度が「罪に対する罰」であり、犯罪の抑止が目的だとは思いません。取り返しのつかない罪への罰は被害者とその家族のためにあると思います。そのため容疑者が罪を認めている限り、その死刑は正当化されます。つまり問題点の①と②は死刑が「罪に対する罰」である以上、問題ではありません。またそれが冤罪なら、罪を認める事はないので③も問題になりません。容疑者が罪を認めない場合は終身刑を創設して死刑を回避すれば良く、この点で日本は法律を変えるべきだと思います。終身刑は死ぬまで必ず刑務所にいるという刑であり、冤罪の可能性がゼロでない場合のみ死刑に代わる刑として使います。また終身刑があれば死刑よりハードルが低くなるので、被害者数がひとりでも殺人罪への罰として使う事ができます。被害者は死んでいるのに、加害者を生かすために税金を払いたくないという気持ちは分かります。でも冤罪の可能性がゼロでないため、取り返しのつかない罰は慎重に選ぶべきです。
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