2025年5月2日金曜日

賃金と物価の好循環

4月の日銀「経済・物価情勢の展望」から「賃金と物価の好循環」という文言が消えました。この文言は2023年の10月から6回のレポートで登場しており、それが今回消えたという事は「賃金と物価の好循環」が実現していない事を日銀が認めた[^1]という事です。実現していないだけでなく、近い将来に実現する可能性もないという事です。トランプ関税がどう作用するのかも不明で、あやふやな事は言えないという状況です。もともと人口減少下の「賃金と物価の好循環」には生産性の持続的向上が必要で、そこが頭打ちという問題です。生産性は日銀にできる事の範囲外にあり、人々の期待だけでは向上しません。労働人口の減少と2%のインフレを上回る賃金の上昇には毎年4%以上の生産性向上が必要で、しかも生産したものを買ってくれる市場が不可欠です。今のアメリカは関税で、中国は不景気で市場としては当てになりません。他の国を開拓するべきです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK01CSQ0R00C25A5000000/

2025年05月09日追記
実質賃金のマイナスが続いています。コメや野菜の値上がりが強く影響しています。

2025年05月22日追記
中小企業の賃上げが息切れしています。実質賃金は2025年もマイナスか。

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