この記事[^1]は2030年に1ドルが70円という円高になる可能性を指摘しています。日本とアメリカの金利の差だけで円レートが決まるわけではないので、中央銀行が円レートを変えられる度合いはそう大きくありません。以前の円高は1980年代のプラザ合意から始まっており、その前は1ドルが180円の円安だった事を思い出しましょう。当時は日本の自動車や家電の対米輸出でアメリカの貿易赤字が深刻になり、アメリカは日本に円高になるよう外需から内需への変更を求めました。この変更が国内の地価を上げてバブル経済を作り、そのバブルが破裂した後は就職氷河期や失われた20年が続きました。その間に円レートは円高のまま推移し、日本の物価をデフレにすると同時に輸出業を圧迫しました。これではいかんと円高を円安にするべく始めたのがアベノミクスで、市場に出回るお金の量を増やす(国債を増やす)事で円の相対価値を下げ、円安とインフレと株高を獲得しました。つまり薬が効きすぎて過度な円安になったからと言って、日銀が金利を上げても円レートは少ししか動きません。増やした国債を減らす以外に根本的な治療法はなく、日銀にできるのは更なる円安を遅らせるだけです。アベノミクスが目標とした円レートは120円あたりだそうで、金融緩和をやり過ぎた事は事実です。人々のデフレマインドをインフレマインドに変えるのには成功したものの、その代償として円安への歯止めを失い、かつての円高にもどる事はもうありません。
同日追記
日米協調介入で155円にしてから1ヵ月も経たずにまた160円に戻りました。
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